
2021年02月23日
多くの人に馴染み深いワインのお供といえば、やっぱりチーズです。スーパーやコンビニで気軽に手に入るし、難しく考えなくてもチーズなら失敗なし!そんなイメージが強いのではないでしょうか。ある意味正解ですが、ある意味不正解です。チーズにも色々なタイプがあって、合わせるワインを少し工夫すれば、美味しさが何倍にも膨れ上がるからです。
実は奥が深い、ワインとチーズのマリアージュ。今回は、より充実したワインライフを求めて、ワインとチーズの合わせ方を基礎からわかりやすく解説してくれるWinomyオンラインイベントに参加してみました!その様子をレポートします。
Winomyオンラインイベント恒例の、冒頭の参加者アンケートでイベントスタートです。まずは「普段からワインとチーズをあわせて楽しんでいますか?」という質問。8割以上の方が「はい」と回答しました。やはり、ワインとチーズの組合せは支持率が高いですね。
ちなみに司会のキャプテン・マサさんは「いいえ」に該当するとおっしゃっていました。「普段、某市販の6ピースチーズくらいしかチーズを食べないので、今日はチーズ初心者としていろいろ勉強します!」と意気込んでいました。
今回は参加者が各々チーズを用意するスタイルなので、次の質問は「(本日は)どんなチーズを用意して参加されていますか?」というもの。
圧倒的に「白カビチーズ」派が多い結果となりました。ワインに合わせるチーズとして、カマンベールチーズの根強い人気を感じます。自分が用意したチーズは、果たしてどんなワインとマリアージュするのか…皆、ドキドキしながら解説を聞き進めました。
イベントの中でチーズとのペアリングに使われたのは、カリフォルニアの歴史ある造り手「ベリンジャー」の “ファウンダース・エステートシリーズ”のワインです。ワイン付参加チケット(3,800円/送料・税込)を購入した人に事前に届いたのは、ファウンダース・エステートシリーズのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンの2本です。
シャルドネ
トロピカルフルーツのような香りとフレンチオークの樽香が豊かに香り、滋味感あふれるスタイル。「こえぞカリフォルニアのシャルドネ!」という味わいで、とても美味です。このシャルドネがどんなチーズにあうのか、興味がそそられます。
カベルネ・ソーヴィニヨン
果実味とタンニン(渋み)がしっかりときいているフルボディな味わい。飲みごたえ満点の濃厚な赤ワインです。第一印象は、「このカベルネ・ソーヴィニヨンはどんなチーズにも合うだろうな」という感想でした。実際どうなのかは、後ほど…。
ワインの紹介中に画面に映し出されていたのは、上空からドローンで空撮されたベリンジャーのワイナリー施設の様子です。まるで田園に佇むお城のようなワイナリーを眺めながらのワイン・テイスティングは、まるでカリフォルニアに訪れているような気持ちになり、最高でした。
ドローンの映像は迫力満点!
ワインの味を確かめたらお待ちかね、「ワインとチーズを合わせるコツ」のお話です。最初に講師の佐藤さんからチーズの基礎知識を解説してもらい、その後キャプテン・マサが参加者を代表してペアリングを実行しながら佐藤さんによる解説が入るというスタイルで進みます。
まずおさえておかなければいけないのは、「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の違いです。今まであいまいな知識しかなかったのですが、佐藤先生がびしっと説明してくださいました。
簡単にいうと、新鮮なミルクから造った“生もの”のチーズ=ナチュラルチーズ、ナチュラルチーズを加熱&加工して造られるチーズ=プロセスチーズ。ナチュラルチーズは “菌”が生きている状態なので、購入後も熟成が進み味が変化していきます。プロセスチーズは加熱しているので “菌”が死滅し、味わいが安定して変わらないという特徴があります。
コンビニやスーパーでよく見かけるチーズ(某6ピースチーズなど)はプロセスチーズですが、最近ではナチュラルチーズも多く販売されるようになったので、裏ラベルをチェックしてみましょう。
ナチュラルチーズには様々な種類があり、それぞれの特徴や選び方のポイントなどを解説していただきました。佐藤先生がおっしゃっていた内容で「面白い…!」と思ったウンチクを二つご紹介します。
▶︎ブリーチーズは断面を見るべし
ブリーチーズ(白カビタイプ)は表面から熟成が進むのだそう。まだ若い状態だと全体的に表面が真っ白で食感にも弾力を感じさせ、熟成が進むにつれてチーズの断面がとろりと滑らかな状態になっていきます。今すぐ楽しみたいのなら断面が全体にとろりとした状態のものを選び、一定期間保存しておきたい場合は中心に白く硬い部分が残っているものを選ぶべし!
▶︎ウォッシュチーズはチーズをじゃぶじゃぶ洗っているわけではない
「ウォッシュチーズは塩水などでチーズを洗って作る」という解説を聞いたことがありますが、チーズをじゃぶじゃぶ洗っているわけではないそうです。実際は、溶液を含ませた布等で表面を拭きながら(湿らせながら)熟成させているものも多いのだとか。長年の謎だったので、スッキリしました。
いよいよ本題です。佐藤先生によると「“相性がいい”とは、合わせることでワインの果実味が開き、チーズのミルクの風味が広がるような組合せのことを言います。」つまり、どちらか一方の味わいが強すぎたり風味の方向性が全然違ったりすると、せっかくのペアリングがイマイチな評価に落ち着いてしまうのです。
どんなチーズにどんなワインが調和しやすいのか…佐藤先生が秘伝の資料を共有してくださいました。これを見ながら、ベリンジャーのシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンと各チーズの相性を確認していきました。
基本ルールの中でも、今回は「個性をあわせる」ところにフォーカス
酸味のある若いシェーブルと、酸味の柔らかな白ワインはまずますの相性とのこと。マリアージュとまではいかないものの、口の中で爽快感を味わうことができる組合せだそうです。
トロピカルな香りの強いベリンジャーのシャルドネと、コクのあるセミハードタイプのゴーダチーズはベストマッチ!ワインの果実味、チーズの風味、両方が膨らむお手本のような組合せです。
キャプテン・マサいわく「ワインとチーズがそれぞれの方向をむいていて、なんだか交わっていない感じ」だそう。圧倒的にミモレットの味が勝ってしまうようです。
スッキリさらっとした若いシェーブルと濃厚なカベルネ・ソーヴィニヨンの組合せも、お互いのいい部分が生かされずにイマイチ…。
コクのあるカベルネ・ソーヴィニヨン、風味の強いミモレット、双方の強い個性がバランスよく交わって、これはベストマッチ!
※相性の評価は個人の感想も含まれますので「正解」ではありません。ぜひご自身で味わってみてくださいね。
我が家では、次の4種類のチーズを用意しました。
(1)ハーブ入りゴーダチーズ(セミハードタイプ/オランダ産)
(2)ゴーダチーズ(セミハードタイプ/オランダ産)
(3)カマンベールチーズ(白カビタイプ/フランス産)
(4)シェーブルチーズ(フランス ロワール地方産)
結論を言ってしまうと、今回用意した4種類ともすべて、ベリンジャーのシャルドネとの相性がバッチリ!特にNo.2のゴーダチーズ、No.4のシェーブルチーズとの組合せが素晴らしく、ついつい食べすぎてしまうほど…。シェーブルチーズは香りにクセがあってあまり得意ではないのですが、トロピカルなシャルドネと合わせると独特の香りが緩和されてクリーミーな爽やかさが際だちました。
残念なのは、カベルネ・ソーヴィニヨンとベストマッチなチーズを用意できなかったこと…。しかし、今回のイベントでしっかりと勉強させていただいたので、次回ベリンジャーのカベルネ・ソーヴィニヨンを開ける時には、しっかりマリアージュするチーズを選べると思います。楽しみが増えました。
イベントの終わりに佐藤先生が、チーズの保存方法について4つのポイントを教えてくれました。このうち2、3、4は今まで誤ったやり方をしていたので、反省…。皆さんも注意してみてくださいね!
1. チーズの断面を乾燥させない
2. 封を開けたモッツァレラチーズは水から取り出して保管(新鮮なうちに食べましょう!)
3. ブルーチーズは表面に水分が浮いてきたらキッチンペーパーで拭いて保管する
4. セミハードタイプ/ハードタイプの硬いチーズ以外は冷凍保存NG
※賞味期限内に食べきるようにしましょう
非常に学びの多いオンラインイベントでした。今回はベリンジャーのワインに合わせたチーズセミナーでしたが、ワインやチーズの品種、タイプ、つくり手が異なると相性もまた変化しそうです。少しポイントがおさえられるようになったので、ワインライフがかなり充実するはず。今回参加できなかった方も、機会があったらぜひのぞいてみてくださいね!
(参考ページ)楽しく学ぶワインとチーズ!カリフォルニアワイン「ベリンジャー」にあわせてナチュラルチーズを選ぼう
※このイベントは終了しました
ナパ・ヴァレーに現存する最古のワイナリー
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– ファウンダース・エステート シャルドネ ★イベントで使用
– ファウンダース・エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ★イベントで使用
– プライベート・リザーヴ シャルドネ ナパ・ヴァレー
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ソムリエ ワイン講師 佐藤洋美
1本のボルドーワインとの出会いをきっかけにソムリエを志し飲食業界に。2009年、2010年にチーズプロフェッショナルとソムリエ資格を取得。翌年よりワインやチーズに関する原稿執筆やソムリエ業、講師業など発信活動をメインに行い、2019年春に独立。
超初心者〜中級者向けの少人数性ワインスクールを本格スタート。学びのマーケット「ストアカ」にて、2019年人気講座TOP30、2020年優秀講座賞を受賞。
現在の主な活動はワインメディアの運営、ワイン講座、企業向けセミナー講師など。日常が豊かになるワインの基礎知識や楽しみ方を伝える。
■佐藤先生のLINEお友達追加で情報をゲット>https://lin.ee/oeyDCHm
LINE ID:@724nvspf
吉田すだち ワインを愛するイラストレーター
都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定
ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
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