2020年02月18日(火)

伝統に裏付けされた絶品 ”鰻” に、ロゼワインをマリアージュ

先週は大阪(関目)にある、慶応三年創業の鰻店「魚伊」に行って参りました。

慶応(1865~1868年)は、江戸時代最後の元号で、孝明天皇や徳川慶喜の時代です。なんと153年のロングラン!老舗中の老舗に、期待が膨らみます。

最寄り駅を降りてしばらく歩くと、突如として鰻の焼けるい~い香りが、辺り一面に充満していました。Googleマップをしまい、香りをたどってお店に到着です。この香煙だけでもワインが楽しめそうです。

鰻に合わせてロゼワインをセレクト

平賀源内のすすめる土用の丑の日は夏ですが、鰻は栄養価が高く、ビタミンAも豊富なので、季節を問わず頂きたい食材です。

 

今回、鰻に合わせてBYOしたのは、スロヴェニア産のロゼワインです。イタリアのアドリア海を挟んでトリエステ近郊、イストラ地方に位置するワイナリーZARO(ザロ)の「ネグラテネラ2018」を持参しました。

この地方最古のワイナリーで、“Since 1348~”。えっ、672年前!?いつぞや?と思って調べたところ、鎌倉時代と室町時代の狭間である南北朝時代でした。足利尊氏や後醍醐天皇の時代と言えばピンとくるかも知れません。そんな前からやっていたとは!!代々脈々と受け継がれてきた伝統が、鰻店とワイナリー双方にあるのです。ロマンを感じるではありませんか。

ロゼワインについて少しお勉強

鰻は蒸さず、備長炭による直火焼が関西風。そのため、焼き面はパリッとサクサク、中身はふっくらと柔らかいのが特徴です。蒲焼にはピンポイントで、前述の辛口ロゼワインを合わせたのですが、これが大正解でした!

マリアージュの前に、ロゼワインについて少し言及しましょう。そもそもロゼワインは、赤ワインに用いられる「黒ぶどう」から造られる「ピンクワイン」なのですが、「赤と白を混ぜたのがロゼでしょ」と思われたそこの貴方、実はロゼワインには4つの醸造方法があります。

1. 直接圧搾法
 絞った果汁のみを醸造する製法。(=白ぶどうを使うと白ワイン)

2. セニエ法
 果皮や種を果汁に接触させ醸造する製法。(=赤ワイン、白ぶどうを使うとオレンジワイン)

3. 混醸法
 黒ぶどうと白ぶどうを混ぜて醸造する製法。

4. ブレンド法
 白ワインに赤ワインを混ぜる製法。(EUではシャンパーニュ地方のみ許される)

今回のロゼワインには、ネグラテネラという赤紫がかった白ぶどう(グリ系)レフォスク(イタリアではレフォスコと呼ぶ)という黒ぶどうが使われています。

ネグラテネラはイストラ地方で古くから育つ土着品種です。
イタリア語でネグラ=ダーク、テネラ=エレガントの意味で、その名の通り、果皮の色が濃く上品な味わいの品種です。それらを半々で混醸してプレスします。上記の醸造方法だとを併用する珍しいパターンです。軽くプレスしただけなのに赤ワインのようにしっかりとした色みです。ジューシーな味わいですが、エネルギー感もあり、飲み応えもあります。果実由来の厚みが十分にあるので、このワインを蒲焼のお供に選びました。

いざ、実食!

それでは実食といきましょう。
先ずはワインで口の中をリセットします。ワイン香が残っている状態で、熱々の鰻を頬張ります。カリッ、フワの食感のあとに、炭の芳ばしい香りが広がり、ジューシーな脂身の旨味、たれの甘じょっぱい風味が後を追いかけます。間髪入れずにロゼワインをひと口。鰻の濃厚な脂身をワインの酸がさっぱりと洗い流し、もうひと口と箸が進みます。鰻→ワイン→鰻→ワイン→鰻→ワイン 魅惑の無限ループが続きます。

ラストひと口となった時に、これはいかん!鰻の相棒である「山椒」の存在を忘れていたことに気が付きました。気を取り直し、山椒を一振りしてパクリ。爆発的に広がった清涼感と柑橘香、そしてスパイシーさが嗅覚と味覚を支配しました。その後の幸せは約束されました。鰻と山椒の余韻を感じながらワインをゴクリ。ワインにスパイシーなニュアンスも感じられたので、それはもうムフフな関係です。

マリアージュのコツ

鰻はそれ自体が味わいの濃い魚です。和食の延長で繊細なタイプのワインを選ぶと、ワインが負けてしまう恐れがあります。白焼と白ワインならまだしも、蒲焼にはロゼワインがおすすめです。赤ワインはタンニンがあり、しっかりし過ぎているので、逆に鰻の魅力が引き出されなかったりします。その分、その中間に位置するロゼワインやオレンジワインは鰻とぴったりだと思うのです。

どうしても赤ワインと召し上がりたいのなら、薄うまのピノノワールはどうでしょう。そこそこ合うのではないかと想像します。

最後に

鰻は割き八年、焼き一生と言われる職人芸です。伝承され続けてきた伝統技術は侮れません。Googleの口コミ数が1000件以上もあることからも、その人気ぶりが伺えます。歴史あるZAROも然りです。

今回は2階の個室&コース料理でしたが、次回は1階のカウンター席で、鰻を焼く姿を眺めながら、香りと煙を浴びつつ、蒲焼1尾、燻製、肝焼きなどを頼み、ロゼワインとちびちび楽しみたいです。

魚伊はBYOだけでなく、鰻のテイクアウトが可能なのも嬉しいです。ワイン通ぶって「昨夜は鰻とロゼワインだったの」とか言ってみたら、もちろん生ハムとワインも合いますが、急に粋な感じが漂います。ただのお酒飲みですが、この組み合わせに、暫くハマりそうな予感です。

それでは皆様、ごきげんよう!

■ZARO ネグラテネラ2018 ロゼ についてはこちら
※365wine(外部サイト)へジャンプします

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

お店の情報

魚伊 本店

慶応三年の創業以来、備長炭で焼く、手焼きによる関西地焼き炭火焼き鰻にこだわり続けてまいりました。活きた鰻を職人の手で一尾一尾開き、串を打ち、備長炭の熱で焼き切った蒲焼きは“ 炭火焼き地焼き” 独特の焼き色と香ばしい香りが特長です。

【ワイン持ち込み条件について】
Winomyからのご予約で、持ち込み料1本1,500円(税別)

  • 大阪府大阪市旭区高殿4-8-10
  • お電話:050-1709-2203

店舗ページはこちら

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