2020年09月07日

ソムリエが教える!「オーガニックワイン」の特徴と選ぶコツ

体にやさしいといわれ、ワイン好きの中でも人気がある「オーガニックワイン」。しかし、オーガニックワインってどんなワインなの?どれがオーガニックワインなの?など、詳しく分からない方もいると思います。この記事では、オーガニックワインの特徴とソムリエがおすすめする美味しいオーガニックワインをご紹介します。

オーガニックワインとは

オーガニックワイン
iStock.com/olrat

オーガニックワインは、「有機栽培によるブドウから造ったワイン(有機ワイン)」のこと。有機農法は各国で細かな法律は違いますが、簡単にいうと「ある種の農薬を使用しない」ということがポイントです。

ちなみに、「ビオワイン」といワードも聞いたことがある方がいると思いますが、これはフランス語なんです。オーガニックワインは英語での表記。どちらも海外では、同じ「有機ワイン」という意味合いですよ。しかし、日本では「ビオワイン=自然派ワイン、ビオロジック、ビオディナミ製法のワイン」という意味合いが強いのでオーガニックワインとは少し意味合いが変わってくるので注意しましょう。

オーガニックワインの特徴とポイント

ぶどう畑
iStock.com/igorartmd

オーガニックワインとは、一体どんなものをいうのか詳しくご説明します。

農薬の使用制限がある

オーガニックと付く商品は、基本的に農薬の制限があります。オーガニックワインも同様。例えば、化学除草剤、化学肥料、防虫剤、害金防止剤などが禁止されています。

添加物に制限がある

オーガニックワインで有名な添加物といえば、「亜硫酸」です。亜硫酸とは、保存料のことで一般的なワインには入っています。実は、ワインボトルの裏を見るとほとんど添加していると書いてあるんですよ。オーガニックワインになると、添加できる量が制限されます。

しかし、オーガニック認証機関によって制限の差があるので、より少ない量が良いという方は、認証機関ごとに添加物量を確認しましょう。

ブドウ品種の特徴や土地の味わいをより強く感じられる

オーガニックワインは、通常のワインよりブドウの個性がワインによく出ています。また、その土地で造られたからこそに味わいが反映していることが特徴です。ブドウそのものの味わいを、しっかし感じ取りたい方はピュアなオーガニックワインをおすすめします。

オーガニックワインの認証を知って、かしこく買おう!


iStock.com/ThamKC

オーガニックワインには、ラベルに認証マークを記載することが出来ます。基準・規定は認証機関によってさまざまですが、よく見かけるオーガニック認証機関をご紹介します。

また、オーガニックワインだからといって、オーガニックの申請をする義務はありません。なので、ラベルに認証マークが無かったけど、実はオーガニックワインだった!なんてこともよくあります。オーガニックワインを購入するときの一つの基準として、認証マークの存在を知っておきましょう。

ユーロリーフ(Euro leaf)EU

EU各国に認定されている、オーガニック認証。黄緑色の背景に、白い星で葉っぱをかたどられた有名なマークです。EUの有機農業規則に従い生産された農産物であること、EU加盟国内での生産・梱包されるなどの条件があります。

AB認証(Agriculture Biologique)フランス

ABと大きく書かれ、Bの上に若葉のようなマークが書いてあるロゴです。AB認証はフランス政府が1981年に制定し、1985年以降国家によるオーガニック認定の証として使われています。オーガニック材料を95%以上含み、EU圏内で生産加工されたもののみが認めらる。

エコサート(ECOCERT)フランス

赤い丸の中に、ローマ字でECOCERTと記載されたマークです。エコサートは1991年に設立された、世界最大の国際有機認定機関。生産から加工、添加物の量まで全て厳密な管理と監視が行われています。また、遺伝子組み換え食品や放射性物質使用不可など、オーガニック団体の中でも厳しく世界基準ともいわれている認定機関です。

バイオアグリサート(bioagricert)イタリア

グリーンでbioagricertと書かれたシンプルなロゴマーク。バイオアグリサートは1984年に設立され、2002年にはイタリア農業食料森林省から認可を受けました。さらに日本政府より海外の有機認証機関として認定されています。化学合成農薬や食品添加物の制限が非常に厳しく、遺伝子組み換え作物の絶対的な禁止もうたっている認証機関です。

CCPAE(Consell Català de la Producció Agrària Ecològica)スペイン

畑に太陽と緑の線で絵が書かれ、CCPAEと記載された縦長の可愛いロゴマークです。スペインには、複数のオーガニック団体があります。その中で、CCPAEはスペインのカタルーニャ地方の有機農法を管理している団体です。

オーガニックワインのおすすめ5選

1.「オック・シラー」タリ家

オック シラー 
¥3,342(税込)〜/フランス・ラングドック地方

1989年からオーガニックワイン造りに転換し、現在も造り続けています。南仏らしいパワフルで濃厚なシラーの味わいを堪能できる一本。また、ラングドックの太陽を感じられる果実味感とスパイシーさが楽しめるワインです。

Amazonで見る
Yahoo!ショッピングで見る

2.「サンセール」パスカル・ジョリヴェ

サンセール
¥3,135(税込)〜/フランス・ロワール地方

ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランは、場所ごとで味わいが違うということを教えてくれる造り手。グレープフルーツのような爽やかさとフルーティーさ、後味に少し感じる苦みがワインの味わいを引き締めます。造り手パスカル・ジョリヴェは、プイィ・フュメというワインも手掛けますが、同じソーヴィニヨン・ブランなのかと思わせるほど味わいが違います。オーガニックワインならではの、土地の味わいをしっかり感じられワインです。

Amazonで見る
Yahoo!ショッピングで見る

3.「ロゼ・デル・ボッロ」イル・ボッロ

ロゼ・デル・ボッロ

¥2,376(税込)〜/イタリア

サンジョベーゼ100%で造られる、爽やかなで果実味感が華やかなロゼワインです。透明度の高い淡いピンク色が、オーガニックで造られた添加物を感じないきれいな色合いを出しています。花やシトラスの香り、甘味と渋味のバランスが食事に合わせやすい一本。

Yahoo!ショッピングで見る

4.「3055 メルロ/プティ・ヴェルド」ジャン・レオン

3055スペイン赤ワイン
¥2,122(税込)〜/スペイン

スペインのオーガニック団体CCPAEを取得している赤ワイン。フランス・ボルドー地方で多く造られるメルロとプティ・ヴェルドを使った飲みやすい一本です。チェリーやプラムなどの赤い果実味とややハーブのような爽やかなニュアンスも感じられる味わい。トマト系の煮込み料理やスペアリブなどに合わせても美味しく飲めますよ。

Amazonで見る
Yahoo!ショッピングで見る

5.「クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン」二コラ ジョリー

クロ ド ラ クレ ド セラン [ 2015 ]二コラ ジョリー
¥11,550(税込)〜/フランス・ロワール地方

元祖自然派ワインと呼ばれる、一度は飲みたいオーガニックワイン。オーガニック認証だけではなく、ビオワイン・自然派ワインとしても有名な造り手の一本。シュナン・ブラン100%で造られる白ワインは、自然そのものを愛して出来た、雑味のないブドウそのものを感じられる美味しさです。何度飲んでも、また違う味わいを楽しめる1本1本が生きているワイン、ぜひ試してみてください。

Yahoo!ショッピングで見る

オーガニックワインは、体に良いだけではない!

ぶどうを潰しているワインの製造過程
iStock.com/Nath-Sakura

オーガニックワインと聞くと「体に良い」「悪い酔いしない」などと、体に良い印象ばかりが多く聞かれます。しかし、オーガニックワインの醍醐味は、なんといってもブドウそのものの味わいをしっかり感じられるところが一番大きな特徴です。その土地だからこそのブドウの味わい、育て方にこだわった造り手の個性を感じられる。オーガニックワインは、そんな魅力を持ったワインなのです。オーガニックワインは体に良いのはもちろんですが、ブドウやワインに向き合える素晴らしいワインだということを知って飲んでみましょう。

※商品価格は、2020年9月1日時点での情報です。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

この記事をSNSでシェアする