2020年09月05日

世界中でブーム!赤・白・ロゼに次ぐ「オレンジワイン」の魅力とは

 今世界中で注目されている「オレンジワイン」をご存じですか? その名のとおりオレンジから造られたワインかと思いきや、どうもそう単純な話ではないらしい……! 赤でも白でもはたまたロゼでもない、新しい第4のワインとして今人気急上昇中のオレンジワインについて詳しくご紹介します。

オレンジワインとは

グラスに入ったオレンジワイン
iStock.com/5PH

オレンジワインとは、「白ぶどうを使用して赤ワインのように醸造したワイン」の総称。白ワインの果実味あふれる爽やかでフルーティーなアロマと、赤ワインのコクのある渋みと苦みを併せ持った斬新な味わいが魅力です。幅広いジャンルの料理と相性がよい”フードフレンドリー”なワインとしても有名で、近年認知度・人気共に急上昇。

国内外の多数のレストランで、オレンジワインが採用されています。ちなみに、「オレンジワイン」という呼称が使われ出したのは2000年代に入ってからと新しく、オレンジワインの伝統的産地ジョージアでは古くから「アンバーワイン」として親しまれています。

オレンジワインがオレンジになる理由

3つのグラスに入った赤白ロゼワイン
iStock.com/yagmradam

赤でも白でもない、独特の色味をしたオレンジワイン。一体どのようにして、その美しい琥珀色にできあがるのでしょうか。通常、白ワインは白ぶどうをつぶして果皮や種を取り除いて発酵させるのに対し、赤ワインは黒ぶどうを果皮や種と一緒に発酵させて赤みや渋みを出します。

つまり、”白ぶどうを使用して赤ワインのように醸造するオレンジワイン”は、白ぶどうを果皮や種ごと醸造することで、白ぶどうに含まれる黄色系色素やタンニンが溶出。オレンジ色をした、旨味とコクのあるワインが出来上がるというわけです。黒ぶどうを使って白ワインのように作るロゼの逆バージョンと考えると、わかりやすいかもしれません。

オレンジワインの歴史

ジョージアのワインセラー
iStock.com/Radiokukka

オレンジワインの起源は、ワイン発祥の地と言われているジョージア。約8,000年も前からワイン作りが行われていたそうです。ジョージアでは昔から、「クヴェヴリ」という土の中に埋めた陶器で白ぶどうを果皮や種子ごと醸造してオレンジワインを造っていました。主なぶどうの品種は、グルジアの固有品種である「ルカツティリ」や「ムツヴァネ」。長期間にわたって醸し出来上がったワインが美しい琥珀色をしていたことから、グルジアでは今でも「アンバーワイン」という名で呼ばれています。

長い歴史を持つジョージアワインですが、つい最近まで国際市場にはほとんど出回っていませんでした。理由は、アルコール禁止令や品種削減を積極的に行っていたソ連支配下にあったため。そんなジョージアのオレンジワインを世界的に有名にするきっかけとなったのが、イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の生産者クラヴネルです。ジョージアワインに出会い感銘を受けたクラヴネルは、伝統的なグルジアワイン製法を用いた自社ワイナリーでの醸造を開始。1998年にオレンジワインの醸造に成功したのです。

グラスに入ったオレンジワインとコルク
iStock.com/5PH

クラヴネルの造ったオレンジワインがジャーナリストから高い評価を得ると、あっという間にイタリア内でオレンジワインが拡散。オレンジワインは赤ワインと同じく酸化防止剤の役目を果たすタンニンを含むため、通常の白ワインと比べて添加物の使用を抑えることができます。そこに注目したナチュラルワイン生産者を中心に、オレンジワインは一躍脚光を浴びることとなったのです。現在では、ヨーロッパ諸国に加えオーストラリアやカリフォルニアなど、世界各地でオレンジワインが生産されています。

オレンジワインのおすすめ5選

1. アランサット オレンジワイン

アランサット オレンジワイン
¥1,567~/イタリア

イタリア、フリウリ産の辛口オレンジワイン。熟したオレンジの芳醇な香りにダージリンやナッツ、カルダモンのアロマ。ヨーグルトのような適度な酸味と相まって、オレンジワインならではの複雑な味わいとうまみを楽しめます。リーズナブルな価格もうれしいポイント。

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2. ムツヴァネ 2016

シャラウリ ムツヴァネ2016

¥3,660~/ジョージア

ジョージアの固有品種「ムツヴァネ」を100%使用。天然酵母にて果皮ごとクヴェヴリ発酵した、伝統的なオレンジワインを楽しめる1本です。ネーブルオレンジや紅茶の香りにアーモンドを感じさせる複雑な味わいで、オレンジワインならではのユニークさと飲みやすさをしっかりと併せ持っています。

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3. クレメンタイン ピノ グリ

クレメンタイン” ピノグリ
¥2,178~/オーストラリア

ピノ・グリ100%で造られたオーストラリア産のオレンジワイン。しっかりとした果実味と、エレガントでしなやかな味わいが特徴です。やわらかい口当たりとなめらかなタンニンの余韻が絶妙で、肉料理・魚料理どちらと合わせてもOK。さまざまなシーンで万能に楽しめる1本です。

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4. 甲州 オランジュ・グリ

甲州 オランジュ・グリ
¥1,628~/日本

山梨県の代表品種「甲州」で作ったオレンジワイン。桃や梨、白い花のアロマと、果皮由来の心地よい渋みと旨みが絶妙な味わいです。水炊きやちらし寿司などの和食と相性抜群なので、日々の食卓で気軽に楽しめること間違いなし!

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5. マカシヴィリ ワイン セラー キシィ

 マカシヴィリ・ワインセラー キシィ 2017
¥2,728~/ジョージア

絶滅しかけたジョージアの希少品種「キシィ」で造られたオレンジワイン。蜜蝋無加工で造られた120年以上前のクヴェヴリで醸造され、桃やアーモンドの芳ばしい香りと、生姜や白胡椒のようなスパイシーな風味が特徴です。個性の強いブルーチーズとの相性がよいほか、ワインと合わせるのが難しいとされているウニやイクラともよく合います。

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オレンジワインに酔いしれてみて

 第4の新しいワインとして注目度の高いオレンジワイン。赤ワインと白ワイン両方の良さを兼ね備えていて、さまざまな料理と合わせやすいのが最大の魅力ではないでしょうか。話題性も抜群なので、手土産やおもてなしに用意すればきっと場が盛り上がること間違いありません。ワインを選ぶ際には、赤・白・ロゼだけでなく、ぜひオレンジワインを選択肢のひとつに加えてみてくださいね!

 ※商品価格は、2020年9月3日時点での情報です。

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