2020年09月16日(水)

ワイン選びに使える!「ヴィンテージ」について知っておこう【ワインの豆知識 初級】

皆様こんにちは、インポーターの大野みさきです。

北半球はブドウ収穫の最盛期です。ワイン用のブドウは追熟させないので、気温と日照量により糖度が上昇して酸度が下がり、そのバランスを見ながら、タンニンなどのフェノール熟成(生理的熟成)がピークの時に収穫されます。今まさに、その時です!

この時期、生産者との会話で日課のように交わされるのが、今日の天気、そして向こう1週間の天気予報です。

「今日は快晴!暑い中での作業になりそうだ」「週末の雨が心配だわ。予報が外れないかな」「向こう3日間は晴れるけど、その後は暫く雨が続く。この区画のピノノワールはもう少し熟成させて収穫時期を待ちたいが雨が降る。さてどうするか」など挨拶のようにやり取りされます。

毎年異なるブドウの出来とワインの関係

日照量が不十分でブドウの熟しが足りなければ、酸の強くアルコール度数の低いワインへ、収穫期に雨が降れば水ぶくれした果粒により、糖度が希釈されてシャバシャバなワインへ。また病気や雹などの被害で収穫量が落ちれば、ワインのクオンティティも下がります。ブドウ木を取り巻くその年の環境とクオリティ&クオンティティは表裏一体なのです。

ワインのヴィンテージは何の年?

そう、ブドウは農産物なのでその年によって出来が異なります。原料であるブドウのクオリティが異なれば、仕上がるワインの出来も変わります。このブドウの収穫年をヴィンテージ(vintage)と言います。

語源の由来はフランス語の収穫(ヴェンダンジュ/vendange)から来ています。2020年に収穫されたブドウで造られたワインは、「2020ヴィンテージのワイン」と言われます。今日はヴィンテージについてお話しましょう。

ヴィンテージによる個性の良し悪し

普通に造れば毎年ワインの味は異なります。ブドウの出来が異なるからです。同じワインでも造り手によってはヴィンテージに大差見られることがあります。

「去年は軽くて線が細かったのに、今年は香りもアルコール度数もボリューミーだな。同じ生産者が造った同じ品種のワインとは思えない!」そんなことも頻繁に起こります。

毎年変わらぬ味わいのワインを造る技術

一方で、ヴィンテージ差を微塵たりとも感じさせない、安定した造りができる生産者もいます。ブドウの出来が違うのに同じような味わいを表現することは、生産者の高い技術と豊かな経験が必要です。収穫後、醸造所では細心の注意を払って試行錯誤していることでしょう。一定の品質基準を保つ、安定のワインを提供できるのは、彼らの努力の賜物なのです。

シャンパーニュのノンヴィンテージについて

ヴィンテージ差を良しとする場合もあれば、そうでない場合もあります。毎年同じメゾンの味を提供するシャンパーニュでは、N/V(ノンヴィンテージ)であれば、いつどこで飲んでも同じ味わいであることが求められます。工業的で量産されるワインも同じ味わいになるよう造られます。

現代の醸造技術を持ってすれば、ヴィンテージを問わず、いとも簡単に同じ味が再現できるのです。例えば「今年のア●ヒスーパード●イはキレがいまいちで、去年よりも苦味がある」なんてことは・・・あってはならないのです!この製品の場合、ヴィンテージ差はノーサンキューです。

ヴィンテージの選び方と楽しみ方

最後になりましたが、ヴィンテージの良し悪しがわからない方向けに、ヴィンテージチャートをご紹介しましょう。収穫年別に数字や★や〇×などでワインの出来を表示したものをヴィンテージチャートと言います。優良年、不作年が一目でわかります。

■参考資料
田辺由美のワインスクール 発行「VINTAGE CHART2020」(PDF/1.2MB)

ヴィンテージに縛られないワイン選びを

誤解して頂きたくないのは、グッドヴィンテージであれば美味しいと言うわけでもなく、バットヴィンテージだからといって美味しくないわけでもありません。産地が限定的なのと同じエリアでも少しの差でブドウの出来は変わります。また生産者の栽培や収穫のタイミング、その後の醸造スキル次第なので、どちらの年であっても、それ相応の人が造ったらそれ相応のワインになります。あくまでもひとつの目安としてお考え下さい。

いろいろなヴィンテージを味わってみよう

一般的にはバットヴィンテージの方が飲み頃も早く、グッドヴィンテージあるいはグレイトヴィンテージともなれば、比較的長い熟成が可能です。つまり、飲み頃を遅くに迎える傾向があります。

ヴィンテージワインは記念日や誕生日などの特別な日に楽しんだり、出産祝や昇進祝に贈ったりする方も増えています。ワイン愛好家の間では、垂直試飲で年毎のワインの差を比較して飲まれます。国や地域別のヴィンテージチャートもウェブ上に掲載されているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。ワインを頂く際、どんな年だったのか妄想してみるのも一興ですよ。

それでは皆様、ごきげんよう!

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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