2021年04月29日

歴史も産地も格付けも!押さえておきたいボルドーワインの基礎知識

フランスのワイン銘醸地ボルドー。この記事では、ボルドーワインの特徴や歴史、産地、格付けについてご説明します。右岸、左岸、5大シャトーなど細かな理解が深まると、ボルドーワインがより味わい深くなりますよ。

ボルドーワインとは

ブドウ畑を背景にし、ワインボトルとブドウが置かれている様子
iStock.com/samael334

ボルドーはフランス南西部、アキテーヌ地方に位置する港町です。海洋性気候のため夏は涼しく冬は温暖。名の由来である古語「au bord de l’eau(水のほとり)」が示すように、ガロンヌ川、ジロンド川、ドルドーニュ川という大きな川が流れています。

ブドウ栽培に適した気候・土壌に恵まれた地で生まれるワインは、ひと言で表すならエレガント。赤・白とも基本的に複数のブドウをアッサンブラージュする製法で造られます。

大変古い時代からワイン造りが行われていますが、大規模生産者が多く、設備の近代化が早かったため品質は常に安定。赤ワインのほぼすべてがAOC(原産地呼称統制法)の認定を受けていることも大きな特徴です。

ボルドーワインの歴史

アキテーヌ地方・ボルドーでワイン造りが始まったのはローマ時代。4世紀頃にはすでに銘醸地として認知されていたといわれています。

ヨーロッパに広まるきっかけとなったのは、アキテーヌ公・息女エレオノールと、アンジュー伯・アンリの結婚。1154年にアンリはイギリスのヘンリー2世として即位し、ボルドーは英国領となりました。イギリスとの交易が盛んに行われ、ボルドーワインの名はイギリスに広く認知されます。

その後100年戦争(1339~1453年)が起こったためイギリスとの交易はストップしますが、フランスはボルドーを奪還。終戦後はイギリスとの交易が復活しました。16世紀にはオランダとも交易を開始し、18世紀になると他国へも輸出されるようになりました。

さらにその名を高めたのは、ナポレオン3世の強い意向で進められた1855年のパリ万博です。ナポレオン3世はボルドーワインをアピールするため、評価基準となる格付けを指示。仲買人の協力を得て、1~5級まで格付けが行われました。現代までほぼ変わらない格付けは、ワインをセレクトする際の基準のひとつになっています。

ボルドーワインとブルゴーニュワインの違い

ボルト―と同じく、フランスワインの代表として名が挙がるブルゴーニュ。フランス北東部にあるブルゴーニュも、ボルドーと同じく4世紀頃にはワインの産地として知られていました。

2つのワインはよく比較されますが、もっとも大きな違いはワインの造り方。ボルドーは複数のブドウをアッサンブラージュ、ブルゴーニュは単一品種でワインを造ります。また、主要品種や格付け方法なども異なります。

ボルドーワインの産地

空撮したボルドーの風景
iStock.com/SpiritProd33

ボルドーワインは、大きな3つの川の影響を強く受けています。ひとつめは山岳部から流れるドルドーニュ川。ふたつめはスペインを発端とするガロンヌ川。もうひとつは、2つの川が合流し大西洋に流れ込むジロンド川です。

ボルドーでは至る所でワインが造られていますが、特に有名なのは右岸・左岸と呼ばれる地域。右岸はジロンド川に向かって右、ドルドーニュ川の東側、左岸はジロンド川に向かって左、ガロンヌ川の西側にあたります。

【右岸の有名産地】
 サン・テミリオン、ポムロール、ラランド・ポムロール
【左岸の有名産地】
 メドック、グラーヴ、ソーテルヌ

「右岸」地区の特徴

冷涼な気候で粘土質土壌の右岸では、メルローを使ったワインが多く造られています。地区によって味わいは異なりますが、基本的に芳醇でタンニンはまろやか。ふっくらした飲みごたえがあり、女性的と称されることが多いワインです。

「左岸」地区の特徴

排水性が高い砂利質土壌の左岸は、名だたる5大シャトーが集まる地。地域の個性を活かし、カルベネ・ソーヴィニヨンを主体としたタンニン強めの濃厚なワインや高級白ワイン、貴腐ワインなどが造られています。

ボルドーワインの格付けについて

シャトーマルゴーの正面
iStock.com/azgek

1855年にスタートしたメドックの格付けは、1~5級まであります。メドック地区とソーテルヌ地区を対象としたものでしたが、グラーブ地区のシャトー・オー・ブリオンは、当時すでに優れたワインが世に知られていたため、例外的にメドックの格付け対象として認められました。

シャトーの吸収合併による増減を除き、格付けに大きな変更があったのは過去ふたつのみ。1856年のシャトー・カントメルル追加と、1973年のムートン・ロートシルト格上げです。

5大シャトーについて

メドック格付けで1級と認定されているシャトーは5つ。これら5大シャトーの特徴をご紹介します。

「シャトー・ラフィット・ロートシルト(ロスチャイルド)」

メドック地区・ポイヤック村北部にあるシャトーです。ワインの特徴は高貴でエレガント。メドック地区で最高といわれる畑では、化学肥料・有機肥料などの使用を最低限にとどめたブドウ栽培がおこなわれています。

「シャトー・ラトゥール」

ポイヤック村のもっとも南、ジロンド川から近い位置にあるシャトーです。5大シャトーのなかでもっとも男性的と称されるワインは、果実味たっぷりでタンニンがしっかり。50年以上の長期熟成にも適しているといわれています。

「シャトー・マルゴー」

1855年の格付けの際、唯一満点を獲得したマルゴー村にあるシャトーです。ワインの特徴は、豊かな香りとなめらかな口当たり。女性的と称されるこのワインを愛飲していた作家ヘミングウェイは、孫娘に「マーゴ」と名づけています。

「シャトー・オー・ブリオン」

メドック格付けで唯一グラーブ地区から選ばれたシャトーです。赤ワインはメルローの比率が多く、まろやかな味わい。飲みごろが長いことも特徴です。また、ごくわずかしか造られない白ワインも高い評価を得ています。

「シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)」

ポイヤック村のなかで比較的高い位置にあるシャトーです。メドック格付けで2級とされたことに奮起し、1973年、見事1級へ昇格しました。ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が多く、力強く濃厚。毎年変更されるラベルも人気です。

好みのボルドーワインを探そう!

ワイン棚からワインを選んでいる様子
iStock.com/IL21

ボルドーワインといってもさまざまです。どれにしようか迷ったら、産地や格付け、値段などを基準に選んでみてはいかがでしょう。

赤ワイン

使われるブドウは主にカルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン。プティ・ヴェルドやマルベックが補助的に使われることもあります。ボルドー全域で造られているため、味わいも価格もさまざま。ブドウの比率や土壌の違いなども影響するので、まずは産地や格付けで絞り、値段を考慮して選ぶのがおすすめです。

白ワイン

生産量が少ないため見逃されがちですが、白ワインも高品質でおいしいものがそろっています。使用されるブドウは主にソーヴィニョン・ブランとセミヨン。補助として、ごく少量ミュスカデルが使われることがあります。辛口白ワインの名産地は、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれたアントル・ドゥ・メール地区です。

貴腐ワイン

グラーブ地区のソーテルヌは、世界的に知られる貴腐ワインの産地です。霧が発生しやすい土地のため貴腐菌が繁殖しやすく、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルなどから、優れた極甘口のワインが生みだされます。ソーテルヌの格付けは特1級、1級、2級と分かれているので、目安にしてはいかがでしょう。

ヴィンテージ・当たり年にも注目!

ワインはブドウの品質に大きく左右されます。優れたブドウが収穫できたヴィンテージ(生産年)は、高品質のワインとなる当たり年。当たり年のヴィンテージは、ワインを選ぶ際、選択肢のひとつになります。通常ヴィンテージより少々価格は高めですが、味は保証付きです。

赤、白、貴腐ワイン、それぞれ当たり年は異なりますが、3種とも当たり年となったヴィンテージもありますよ。
主な当たり年:1986年、1988年、1990年、2001年、2008年、2010年、2014年、2015年、2016年

ラベルはどう読む?産地・格付けの見方

ボトルに貼られたラベルには、産地や格付けなどの情報がたっぷり詰まっています。見方を覚えておくと、素早くワインが選べるようになりますよ。

地域によって表記は異なりますが、ボルドーワインはフランスのワイン法に基づき、記載内容が決められています。

必ず表記されているのは、ボルドーワインであることを示す「BORDUAUX」の文字。さらに「ワインの名前」「ヴィンテージ」「AOC(アペラシオン=原産地統制名称)」「瓶詰した者」「アルコール度数」「原産国」「容量」が記載されています。

「AOC(アペラシオン=原産地統制名称)」は、地区だけのものと、地区と村が表記されているものがあります。村名まで記載されているワインのほうが高い品質保証、ということも覚えておきましょう。

例)
1.「Appellation Bordeaux Controlee」
  →産地ははボルドー全域
2.「Appellation Haut-Medoc Controlee」
  →産地はボルドーのオー・メドック地区
3. 「Appellation Pauillac Controlee」
  →産地はボルドーのオー・メドック地区、ポイヤック村

おすすめボルドー産赤ワイン4選

1. ムートン・カデ・ルージュ・クラシック

ムートン・カデ・ルージュ・クラシックのボトル
¥1,763(税込)~

格付け1級のシャトーが手掛けるカジュアルワインです。木樽の風味を持ち、口当たりはなめらか。豊かな果実味と酸味、渋味のバランスが絶妙です。肉料理のほか、マグロやサーモンなどコクのある魚によく合いますよ。1930年当時のものという、復刻ラベルも評判です。

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2. クラレンドル・ルージュ

クラレンドル・ルージュのボトル
¥2,354(税込)~

シャトー・オー・ブリオンを擁するクラレンス・ディロン・ワインズのワインです。ベリーやチェリーの上品な香り、なめらかな口当たり、しっかりしたタンニンが特徴。厳選されたブドウでワインを造っているのは、オー・ブリオンと同じスタッフです。

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3. ポイヤック・ド・ラトゥール

ポイヤック・ド・ラトゥールのボトルとラベルのアップ
¥11,880(税込)~

5大シャトーのひとつ、シャトー・ラトゥールのサードラベルです。サードラベルといっても、ファーストラベルの1/10しか造られないため超希少。濃厚な香り、熟した果実のような奥行のある味わい、長い余韻を持つこのワインは、本当にサードラベル?といいたくなる1本です。

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4. シャトー・カロン・セギュール

シャトー・カロン・セギュールのボトル
¥16,731(税込)~

ハートのラベルが愛らしい、カロン・セギュールの人気ワインです。カルベネ・ソーヴィニヨンの比率が多いため、タンニンが豊か。しっかりした骨格を持つ典型的なボルドーワインは、「サン・テステフのシャトー・マルゴー」といわれています。

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おすすめボルドー産白ワイン3選

5. ムートン・カデ・レゼルヴ・グラーヴ・ブラン

ムートン・カデ・レゼルヴ・グラーヴ・ブランのボトル
¥3,030(税込)~

世界各国のワインコンテストで何度も受賞を果たしている1本です。豊かな柑橘やトロピカルフルーツの香り、フレッシュな果実味と酸味、ミネラルの優れたコラボレーションを楽しめます。キリッとした辛口は、クリームを使った料理にぴったりです。

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6. クラレンドル・ブラン

クラレンドル・ブランのボトル
¥3,100(税込)~

クラレンス・ディロン・ワインズの上品な白ワインです。ブドウはソーヴィニョン・ブラン、セミヨン、ミュスカデルの3種。優雅なグレープフルーツや白桃の香り、さわやかで雑味のない果実味、ミネラル感を楽しめます。和食によく合いますよ。

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7. シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン・ブラン

シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン・ブランのボトル
¥143,000(税込)~

「世界でもっとも偉大な辛口白ワインのひとつ」と称される1本です。特徴的なのはブドウの比率。セミヨンを70%以上という高い比率で使用しています。グレープフルーツやパイナップルなどの香りが豊かで、しっかりしたコクを持っていることが特徴です。非常に長い余韻も魅力ですよ。

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おすすめボルドー産貴腐ワイン3選

8. シャトーディケム

シャトーディケムのボトル
¥38,124(税込)~

世界最高といわれるシャトー・ディケムの貴腐ワインです。こだわりの栽培方法、醸造方法で造られたワインは、とろりとした口当たりで濃厚。甘いだけでなく、ブドウの旨味をしっかり感じられます。デザートワインとして味わうのもおすすめです。

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9. レゼルヴ・ムートン・カデ・ソーテルヌ

レゼルヴ・ムートン・カデ・ソーテルヌのボトル
¥3,960(税込)~

セミヨンを主体とした貴腐ワインです。柑橘、パイナップル、花などの華やかな香りを持ち濃厚な味わい。果実の甘味と豊富なミネラルを楽しめます。相性がよい食べ物はブルーチーズ。フルーツを使ったさっぱりしたデザートもよいですよ。

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10. シャトー・リューセック

シャトー・リューセックのボトルとラベルのアップ
¥2,992(税込)~

ソーテルヌ格付け第一級、シャトー・リューセックの極甘口ワインです。セカンドワインですが、工程はファーストラベルと同じ。豊かな果実味のなかに、品のよい酸味とコクを感じられます。チーズケーキなどのスイーツと合わせてみてはいかがでしょう。

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ボルドーならではのワインを堪能!

ボルドーワインというと赤ワインの印象ですが、高品質の白ワインや、世界に名を知られる貴腐ワインも造られています。どの種類、どのワインもボルドーならではの味わい、こだわりがたっぷり。地域やブドウ品種などチェックしながら味わってみてはいかがでしょう。

※商品価格は、2021年4月14日時点での情報です。

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