
2022年10月01日
カレーは日本の食卓には欠かせない人気メニュー。カレーを食べるときのドリンクといえば、ラッシーやチャイが定番ですが、実は赤ワインも合うんです。おうちで作るカレーと赤ワインを楽しむ秘訣は、カレーと似た要素をもつ赤ワインを選ぶことと、カレーの隠し味に赤ワインを使うこと!こちらの記事では、赤ワイン入り本格ビーフカレーの作り方とカレーのタイプ別おすすめワインをご紹介します。ぜひ実践してみてくださいね。
クミンやナツメグ、ブラックペッパーといったスパイスをはじめ、ローズマリー、ジンジャーなどのハーブは、赤ワインの香りやテイストを表現する際によく使われます。実は、カレーと赤ワインには意外と共通点が多いんです。
カレーと合わせる赤ワインを選ぶ際は、カレーに入れる具材やスパイス、ハーブなどに着目し、似た要素のあるものを選ぶのがおすすめです。
カレーを煮込む際に赤ワインを入れることで、カレーの味に深みがうまれ、カレーと赤ワインを楽しむ際も相性のよさを感じられるはず。おうちカレーと赤ワインのマリアージュを楽しんでみませんか?
濃厚な味わいの本格ビーフカレーの作り方をご紹介します。赤ワインを使うことで、お肉もしっとりやわらかに。赤ワインに含まれる有機酸が、お肉のたんぱく質をやわらかくほぐしてくれるためといわれています。ワインの風味でコクもうま味もアップ。ご飯はもちろん、ワインも進んじゃいますよ。
・牛肩ロース肉(カレー・シチュー用)……200g
・にんじん……1/2本
・玉ねぎ……1/2個
・じゃがいも……2個(300g)
・にんにく……1片
・しょうが……1片
・サラダ油……大さじ1杯
・バター……10g
・赤ワイン……100cc
・水……600cc
・塩こしょう……少々(下味用)
・コンソメ……小さじ1杯
・ローリエ……1枚
・カレールウ……80g
・ウスターソース……大さじ1杯
・ご飯……400g
牛肉は表面を焼いてから、赤ワインで煮込むのがポイント。うま味を閉じ込め、やわらかくジューシーに仕上がります。カレールウは細かく刻んでから入れると溶けやすく、時短にもつながりますよ。
・にんにくとしょうがをみじん切りにしておきます。
・牛肉は常温に戻し、塩こしょうをふります。
・じゃがいもはひと口大に切り、水にさらしましょう。
・カレールウは細かく刻みます。
玉ねぎは1cm幅のくし形切りに、にんじんはひと口サイズの乱切りにします。
フライパンにサラダ油を入れて弱火にし、にんにく、しょうがを炒めます。香りが立ってきたら、塩コショウで下味を付けた牛肉を入れ、表面に焼き色が付いたらお皿に取り出します。
2.のフライパンにバターを入れ、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを加えて炒め合わせます。
3.に牛肉を戻し入れ、赤ワインを加えます。中火で5分ほど煮て、アルコールが飛んだら水を加えます。ひと煮立ちさせたら、アクを取りましょう。
コンソメとローリエを加え、フタをして弱中火で30分ほど煮込みます。水分が半分くらいになったら火を止め、カレールウを溶かし入れます。再び火をつけ、とろみがついたらウスターソースを加え、さらに10分ほど煮込んだら完成です。ご飯を盛った器に、たっぷりカレーをかけて召し上がれ!
やみくもに赤ワインを入れても、カレーがおいしくなるわけではありません。赤ワイン入りカレーをおいしく、レストランで食べるようなプロ級の味に仕上げるコツをご紹介します。
レシピにより違いはありますが、赤ワインの量は水分量の15~40%程度が目安です。たくさん入れたほうがおいしくなるのでは……と思われるかもしれませんが、逆に渋みが強くなり過ぎてしまいます。最初は小量ずつ入れて、味を調整するのがおすすめです。
具材を炒めたあと、水を加えて煮込む前に赤ワインを投入します。具材に赤ワインの風味をまとわせ、赤ワイン効果で牛肉をやわらかくしてから煮込みましょう。
赤ワインを入れたら、しっかりアルコールを飛ばすのがポイント。5分ほど煮込みます。アルコールが飛んでから、水を加えてくださいね。
赤ワイン入りカレーのおいしさを実感したら、水を一滴も使わず、赤ワインだけで煮込む無水カレーにもチャレンジしてみませんか?野菜からでる水分と赤ワインだけでじっくり煮込んだり、赤ワインと生クリームで煮込んだり、赤ワインとデミグラスソースで煮込んだり……と作り方もいろいろ。
いずれも、赤ワインのアルコールをしっかり飛ばすことが、おいしさの秘訣です。香りもコクもアップし、深みのある大人の味わいに。
日常的に食べるカレーだからこそ、カレーに入れる赤ワインは手頃な価格のものを選びたいですよね。選び方のポイントは、カレーの具材や特徴に合わせること。具材によっては、白やロゼを合わせてみてください。
お肉のうま味たっぷりのビーフカレーやチキンカレーには、豊かな果実味とスパイスのニュアンスがある赤ワインがおすすめ。フルーティーな甘味が、カレーのスパイシーさとお肉のコクを引き立ててくれます。
赤ワインを選ぶ際に気を付けたいポイントは、タンニンが強すぎないものを選ぶこと。タンニンが強すぎると、カレーの辛味とぶつかってしまい、辛味も渋みも強調されてしまいます。
ブドウ品種でいえば、スパイス感のあるカリフォルニア産ジンファンデル種、コクのある果実味が特徴のオーストラリア産シラーズ種から造られる赤ワインは好相性です。特にビーフカレーには、ビーフ大国であるアルゼンチン産のマルベック種を使った赤ワインがぴったり。
1,650(税込)~/赤/アルゼンチン
アルゼンチンの銘醸地、メンドーサ州の良質なマルベック種を厳選してブレンド。ブルーベリーやスパイスのような香りがあり、タンニンは少なめで、コクのある果実味が特徴のフルボディです。赤身肉との相性は抜群。アルゼンチンのボデガス・カテナ社とフランスのシャトー・ラフィット・ロートシルトのジョイントベンチャーが手がけています。
¥1,611(税込)~/赤/アメリカ
ワイン評論家のロバート・パーカー氏が「最高の掘り出し物カリフォルニアワインのひとつ」と称える、アメリカで大人気の赤ワイン。ジンファンデル種を主体としたミディアムボディです。力強い果実味とスパイシーさが絶妙で、なめらかなタンニンと酸とのバランスもよく、口当たりは華やか。しっかりとしたコクのあるカレーによく合います。
¥1,078(税込)~/赤/オーストラリア
オーストラリア南部、バロッサ・ヴァレーの老舗ワイナリーによる、シラーズ種単一の赤ワイン。「ジービー」シリーズは、オーストラリアでもっとも消費されている人気シリーズなんです。スパイスや熟した果実の香りが特徴で、タンニンはきめ細かく、バランスのとれた味わいのフルボディ。肉料理全般のほか、うま味の濃い料理と合います。
ビーフやチキン入りのカレーに比べ、シーフードカレーは魚介の繊細なうま味が特徴です。赤ワインより、フルーティーで爽やかな白ワインを使うのがおすすめ。
白ワインに含まれる有機酸が魚介類の臭みを消し、風味もよくなります。こちらでは、リースリング種、シルヴァネール種を使った白ワイン、ネロ・ダーヴォラ種を使ったロゼワインをご紹介します。いずれも魚介類にはよく合います。
¥1,858(税込)~/白/フランス
フランス・アルザス地方のリースリング種を使用した辛口白ワインです。青りんごを想わせる果実香とミネラル感、爽やかなキレが心地よく、シーフード料理とは相性抜群。リースリング種からは甘口タイプのワインも多く造られますが、スパイスを効かせたシーフードカレーには辛口タイプがおすすめです。生産者は、アルザスに本社を構えるレ・グラン・シェ・ド・フランス社。高品質なワインを産出することで評判です。
¥935(税込)~/ロゼ/イタリア
イタリア・シチリア半島で栽培される主要品種、ネロ・ダーヴォラ種100%の辛口ロゼワイン。ベリー系の果実や黒コショウのような香り、コクのあるリッチな果実味が印象的です。やわらかなタンニンと綺麗な酸のバランスがよく、口当たりはなめらか。スパイシーなシーフードカレーによく合います。醸造元はシチリアのフェウド・アランチョ社。コストパフォーマンスに優れた1本です。
¥1,917(税込)~/白/フランス
フランス・アルザス地方の主要品種であるシルヴァネール種を使った白ワイン。レモンのような柑橘系の果実味と酸味のバランスがよく、フレッシュでフルーティーな味わいの辛口です。エビやカニなどの甲殻類とはベストマッチ。シーフードカレーにはもちろんのこと、和食にも合わせやすいワインです。「食事と共に楽しめるワインを造る」をポリシーに掲げる、アルザスの名門ワイナリー、トリンバックが製造。
ひき肉を用いるキーマカレーは、ナス、トマトなどの野菜や複数のスパイスを組み合わせて作るため、うま味と甘味、辛味の重層的な味わいを楽しめます。芳醇なスパイスの香りがなんともいえず、食欲をそそりますよね。
キーマカレーにはどんなワインを使えばよいのでしょう?基本的には、赤白どちらでもOKです。赤ワインを使うとフルーティーな甘味とコクが加わり、白ワインを使うとさっぱりした仕上がりに。たとえば、ラムや牛のひき肉を使う場合は赤ワイン、豚や鶏のひき肉を使う場合は白ワインといったように使い分けるのもおすすめです。
赤ワイン入りカレーの味見をしたら、あれれ……ということもありますよね。そんなときは、味を修正すれば大丈夫。ついついワインを入れすぎてしまった場合の救済方法をご紹介します。
赤ワインを入れすぎてしまった場合は、まず水を入れて薄めるのが基本です。水を加え、フタをせずに、中火で煮詰めていきます。ある程度水分が減ってきたら、その時点で味を確認してくださいね。
ワインの酸味が気になる場合は、砂糖を少しずつ加えて、まろやかになるよう味を調えます。ワインの渋みが強い場合は、ソースの出番。中濃ソースまたはウスターソースを小量ずつ加え、渋みとカレーの味を中和させましょう。調味料を加えるときは、火は弱火に。
インド料理に欠かせないミックススパイス、ガラムマサラやカレー粉、カレールウを加えることで、味を微調整できます。小量ずつ加え、味が落ち着いたら完成です。
ひと口にカレーといっても、家庭ごとにこだわりや隠し味があり、「我が家のカレーが一番」という方も多いかもしれません。しかし、赤ワインを使えばいつものカレーがあっという間に様変わり。カレーの隠し味に赤ワインを使うメリットはふたつあります。カレー自体がおいしくなること、そして、カレーを食べるときに、赤ワインとのマリアージュをより楽しめるようになることです。
カレーに使うワインと飲むワインは、同じものを使ってみてください。カレーにワインの風味が加わることで、カレーとワインの距離がぐっと縮まります、カレーの具材やタイプに合わせて、赤、白、ロゼをチョイスしてくださいね。おうちカレーとワインのマリアージュをお楽しみください!
※レシピ・画像提供/macaroni
※商品価格は、2021年5月2日時点での情報です。