2021年06月01日

濃厚で繊細「キスラー・ヴィンヤーズ」のワインがおいしい理由をソムリエが紹介!

アメリカワインが好きな方は、「キスラー・ヴィンヤーズ」という名を一度は聞いたことがあるでしょう。各国のワイン生産者をも唸らせる、素晴らしいワインを造るワイナリーです。シンプルでキレイなラベル、濃厚さと繊細さを兼ね備えたワインの味わい。造られるワインは生産量が少なく希少な商品が多いため、憧れのワインと呼ばれることもあります。この記事では、そんなキスラー・ヴィンヤーズの特徴、おすすめのワイン、おいしい飲み方などをソムリエがご紹介していきますよ。

各国から絶賛されるワイナリー「キスラー・ヴィンヤーズ」

カルフォルニアのワイナリーにブドウの苗木が並ぶ
iStock.com/latypova

キスラー・ヴィンヤーズは、さまざまな畑で栽培されるシャルドネとピノ・ノワールから、伝統的なワイン造りをおこなっているワイナリー。造るワインは、シンプルでキレイなラベルが特徴的です。

某ワイン雑誌やワイン評論家などからの評価も高く、ワイン評論家ロバート・パーカーは「もしキスラーがブルゴーニュのコート・ドールに位置するワイナリーであったなら、グラン・クリュ生産者としての名誉を手に入れていただろう」と評価していることは有名な話です。近年、ワインラヴァーなら一度は飲んでみたい憧れのカルフォルニアワインとして君臨していますよ。

キスラー・ヴィンヤーズの歴史

白ワインと赤ワインが並ぶ
iStock.com/Victority

キスラー・ヴィンヤーズは、1978年にスティーブ・キスラーとマーク・ビクスラーによって設立されました。当時の彼らは、「カルフォルニアで造るワインこそが、シャルドネを魅力的なワインにすることができる」と信じて造りはじめたそうですよ。設立初期には、シャルドネ以外にカベルネ・ソーヴィニヨンも手がけていたとか。現在は、シャルドネとピノ・ノワールをさまざまな畑から造り醸造しています。

2008年に設立者であるスティーブ・キスラーが、デュレル・ヴィンヤードの所有者であるビル・プライスへキスラー・ヴィンヤーズを売却。そして、2017年にキスラー・ヴィンヤーズから引退したことは、衝撃のニュースでした。しかし、スティーブ・キスラーの生産・醸造方法などをしっかり引き継いだ、ジェイソン・ケスナーがワイナリーの個性を受け継いで生産。キスラー・ヴィンヤーズの味わいや醸造方法などに変化はありませんでした。

キスラー・ヴィンヤーズのこだわり

ぶどう畑で白ワイングラスを持つ人
iStock.com/richardinder

キスラー・ヴィンヤーズは、ワイン造りや味わいにこだわりを持っているワイナリーです。特に、畑の特徴を大事にし、シャルドネへの愛の大きさ、醸造へのこだわりなどがあげられます。また、ワイン醸造者や評論家などからも評価が高いことも有名です。このキスラー・ヴィンヤーズのこだわりを詳しく見ていきましょう。

自社畑へのこだわり

アメリカでは、ワイン醸造とブドウの生産を別でおこなっている場合が多くあります。しかしキスラー・ヴィンヤーズは、多くを自社畑でブドウを栽培し、自社で醸造・熟成させることが特徴(一部、買付ブドウもあります)。それぞれの畑の特徴・味わいを表現できるようなワイン造りをしている、素晴らしい造り手です。商品もさまざまな種類がありますが、単一畑(限定された畑)のワインは、土壌の個性を存分に楽しめます。

自社畑で手がけるワインは、特にこだわって栽培したブドウを使うため年間生産量が1〜2万本ほどしかなく、希少性の高い商品が多くなります。しかし単一畑のワインを飲み比べると、同じシャルドネなのに全く違う印象を受けるでしょう。これが、キスラー・ヴィンヤーズの最大のこだわりであり、ワインの特徴です。

シャルドネへの愛の大きさ

上記でもご紹介したように、自社畑へのこだわりが強いキスラー・ヴィンヤーズ。そして、特にシャルドネへの愛情は創立当初から高いものでした。一般的にシャルドネからは、クセがなくシンプルな飲みやすいワインが多く造られます。しかし、同時に造り手や土壌の影響を受けやすい、という特徴もあるのです。

キスラー・ヴィンヤーズが手がけるシャルドネから造られるワインは、10種類以上。ソノマ・コースト、ソノマ・マウンテン、カーネロス、ソノマ・ヴァレーと4つのエリアからでき、それぞれの産地や畑で酸味や渋味、フルーティーさ、濃厚さなどが変わりますよ。このポテンシャルの高さも、キスラー・ヴィンヤーズが創立当初からシャルドネへ愛情を注いでいた理由だと考えられます。

醸造・熟成について

アメリカ・カルフォルニアのワインというと、樽の風味が強く、どっしり濃厚な味わいのものをイメージされることが多いです。しかし、キスラー・ヴィンヤーズのワインは、濃厚な風味はありますが、繊細でエレガントな味わいを楽しめるタイプも生産しているんです。

これには、醸造方法や熟成方法などが理由のひとつとしてあげられています。キスラー・ヴィンヤーズは、アルコール発酵や熟成などをフレンチオーク(フランス産の木樽)でおこない、アルコール発酵で使われる酵母は、天然酵母を使用。なるべく自然に近く余計な手を加えない製法で造ります。この方法は、フランス・ブルゴーニュ地方のワイン造りにも使われることが多く、ブドウ本来の味わいを表現できるのです。それによって、濃厚さも持ちながらも、繊細な味わいを楽しめるワインができます。

ワイン愛好家を虜にする味わい

キスラー・ヴィンヤーズは、ワイン評論家や醸造家も虜にする味わいが特徴です。またブルゴーニュワインの生産者にも、愛される傾向があります。土壌の個性、濃厚かつエレガント、酸味と深みと余韻が素晴らしい味わいですよ。評価も高く、さまざまなワイン愛好家にも認められ、愛される味わいを造り出すことができるのは、キスラー・ヴィンヤーズのこだわり尽くされた栽培や醸造が理由でもありますね。

代表的なキスラー・ヴィンヤーズのワイン5選

1. レ・ノワゼッティエール・シャルドネ・ソノマコースト

キスラー ”レ・ノワゼッティエール” シャルドネ ソノマコースト
¥14,080(税込)~/白・辛口/アメリカ

シャルドネ100%で造られる白ワインです。キスラー・ヴィンヤードの中でも、濃厚で芳醇なタイプ。ナッツ、ハチミツ、アプリコット、パイナップル、樽の風味などの甘味と酸味と香ばしさを存分に楽しめる一本。余韻の長さもしっかりあって、飲みごたえがありますよ。カルフォルニアのスタイルを残しながらも、繊細なフルーティー感と複雑さを味わえます。濃厚タイプがお好きな方に、おすすめです。

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2. シャルドネ・ソノマ・マウンテン

キスラー シャルドネ ソノマ マウンテン
¥16,500(税込)~/白・辛口/アメリカ

キスラー・ヴィンヤーズが手がけるシャルドネ100%の白ワイン。濃厚な味わいの中に、シャブリを彷彿とさせるミネラル感と爽やかさを感じられる一本。ライムやレモンのような風味と、余韻で感じられる樽のニュアンスである複雑な味わいが絶品です。シャープな酸味と、濃厚で余韻の長い味わいを楽しみたい方におすすめですよ。

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3. シャルドネ・デュレル・ヴィンヤード

キスラー シャルドネ デュレル ヴィンヤード
¥19,800(税込)~/白・辛口/アメリカ

桃やアプリコットなどの甘い香りがふわりと感じられますが、味わいは爽やかで穏やかなフルーティーさを楽しめます。スーッとした酸味が特徴なので、キスラー・ヴィンヤードの造りの中では甘味は抑えめです。ブルゴーニュ地方のグラン・クリュを彷彿とさせる複雑さと奥深さが、楽しめるはずですよ。濃厚なタイプと飲み比べると、土壌の味わいの差をしっかり感じることができる一本です。

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4. ロシアン・リヴァー・ヴァレー ピノ・ノワール

キスラー ルシアン・リヴァー・ヴァレー ピノ・ノワール
¥18,480(税込)~/赤・ミディアムボディ/アメリカ

キスラー・ヴィンヤーズが手がけるロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ・ノワール。クランベリーやチェリーなどのフレッシュでジューシーな果実味と、スミレやかすかに感じられるスパイスが親しみやすい一本。ピュアな果実味と、ハーブやミネラルの複雑な味わいが、ピノ・ノワール好きを唸らせます。ほんのり甘味も感じられるので、ワイン初心者さんにもおすすめですよ。

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5. キスラー・ヴィンヤード・ソノマ・コースト・ピノ・ワール マグナム

キスラー ピノノワール キスラー ヴィンヤード
¥54,780(税込)~/赤・ミディアムボディ/アメリカ

キスラー・ヴィンヤーズが手がけるソノマ・コーストで造られるピノ・ノワール。イチゴやチェリーなどのベリー系のかわいらしい果実味と、バラやシナモンなどの華やかで妖艶なニュアンスも楽しめます。さらに通常サイズ(750ml)の2本分なので、ゆっくり熟成でき、長期熟成するには最適ですよ。ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールをも彷彿とさせる、繊細さと複雑をじっくり味わってみてくださいね。

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キスラー・ヴィンヤーズの飲み方

白ワインをグラスに注ぐ
iStock.com/Rostislav_Sedlacek

キスラー・ヴィンヤーズのワインは、温度を上げて飲むのがおすすめです。ワインの種類にもよりますが、白ワインは9〜14度程度。赤ワインは、14〜16度程度で飲んでみましょう。温度が上がりすぎたり、下がりすぎたりすると香りや味わいが半減します。雑味や強い甘味が出てきた場合は、少し冷やして飲むのがポイントです。また、キスラー・ヴィンヤーズの中でも生産量の少ない高価なワインは、デキャンタをして香りや味わいを開かせて飲むのがおすすめですよ。

料理に合わせる場合は、白ワインはチキンのバターソテーや魚のムニエルなど。赤ワインには、フルーツトマトとモッツアレラチーズのサラダやすき焼きなどにも合いますよ。ぜひ、試してみてくださいね。

キスラー・ヴィンヤーズは、こだわりの詰まったワインを造る

キスラー・ヴィンヤーズは、アメリカ・カルフォルニアワインらしさである濃厚さ、樽の甘味などだけではなく、爽やかな酸味とミネラルなどの複雑さも楽しめるワインを造ります。土壌の特徴をしっかりと表す味わいが、ファンをさらに増やしていくのでしょう。キスラー・ヴィンヤーズのワインは、赤白ともに種類がさまざまあります。1本をじっくり飲むのもいいですが、できれば違う畑のワインを飲み比べることをおすすめしますよ。キスラー・ヴィンヤーズのワインを、ぜひ味わってみてくださいね。
※商品価格は、2021年5月18日時点での情報です。 

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
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