
2022年09月21日
ボルドーのシャトー・モン・ペラと聞くと、あの有名なワインマンガを思い出す方も多いのでは?この記事では、リーズナブルで高品質なワイン造りをおこなっている、シャトー・モン・ペラをご紹介します。特徴と歴史、おすすめのワインをぜひチェックしてください。
シャトー・モン・ペラは、ボルドー地方コート地区にあるシャトーです。歴史は古く、すでに1864年のガイドブックにはその名を記しています。「ボルドー・コンクール」をはじめ、世界各国で開催されているコンクールで数々の賞を受賞。リーズナブルで高品質なワインを造るシャトーとして、高く評価されています。
知名度の高いシャトーですが、日本で注目を集めたのは21世紀になってからです。ワイン好きの方にはおなじみの、週間モーニングで連載していたワインマンガ『神の雫』に登場。「“オーパス・ワン”にひけをとらないワイン」とそのおいしさが広まり、たちまち売り切れになりました。
シャトー・モン・ペラのおいしいワインを生みだしているのは、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた中洲です。4つの丘に囲まれた起伏のある畑は、粘土石灰質に川から流れてきた砂利や小石が混ざる複雑な土壌。地質・地層調査をし、広大な畑の特徴を把握したうえで、土地に適したブドウ品種が選定されています。区画によってはビオディナミ農法が用いられたり、グリーン・ハーヴェストが実施されたりしています。さまざまな栽培方法で育成がおこなわれていることも特徴です。
平均樹齢30年以上というブドウの木の手入れや収穫はすべて手作業。収穫量は1本当たり6房までと決められています。ブドウは、傷がつかないよう特別に考えられた容器で醸造所に搬入。低温度で浸漬、オーク樽による発酵など、こだわりの方法でワイン造りがおこなわれています。
シャトー・モン・ペラを所有しているのは、ボルドーで200年以上ワイン造りをおこなっているデスパーニュ家。1998年、オーナーとなった現当主のティボーと父ジャン・ルイ・デスパーニュは、全財産を投じ畑や醸造所の整備に当たります。
そして天才醸造家、醸造学者3人、農業エンジニアの計5人となるチームを結成し、伝統を守りながら革新的な方法を取り入れたワイン造りをスタート。国内外のワインコンクールで高い評価を獲得するワインを誕生させていきます。優れたワインは、ワイン評論家のロバート・パーカー氏やジャンシス・ロビンソン氏から絶賛され、シャトー・モン・ペラは世界に知られるシャトーとなりました。
シャトー・モン・ペラの歴史は、天才醸造家ミッシェル・ロラン氏を抜きには語れません。ミッシェル・ロラン氏は、ボルドー・右岸の「ル・パン」「シャトー・クリネ」、ボルドー・スタイルのカルフォルニアワイン「ハーラン・エステート」を手掛けた人物。
1998年、招聘されたミッシェル・ロラン氏は、最高のワインを造り上げるため、醸造だけでなくブドウ栽培の状況から確認し次々と改革をおこないます。その成果はすぐに表れ、1998年と1999年のヴィンテージで「パリ農業コンクール」金メダル。以降、シャトー・モン・ペラのワインは、世界各地のコンテストで賞を獲得しています。
シャトー・モン・ペラでは、赤ワインの「シャトー・モン・ペラ・ルージュ」と白ワインの「シャトー・モン・ペラ・ブラン」を製造しています。ブレンドワインのため、ブドウの出来具合を考慮し毎年ブレンド比率は変化しますが、品質は常に高水準。どちらも果実味をしっかり楽しめるリッチな味わいです。高品質なのにリーズナブルということも大きなポイントですよ。それぞれの特徴をみていきましょう。
赤ワインである「シャトー・モン・ペラ・ルージュ」に使用されるブドウは、「メルロー」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「カベルネ・フラン」。多くはメルロー主体の芳醇で濃厚なタイプのワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたワインは、より濃厚な味を楽しめます。どちらも相性がよいのは肉料理。特に味の濃いデミグラスソースを使った料理、旨味たっぷりのステーキがおすすめです。
白ワインである「シャトー・モン・ペラ・ブラン」は、「ソーヴィニヨン・ブラン」「セミヨン」「ミュスカデル」の3種をブレンドしたワインのほか、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンだけで造られるものもあります。3種をブレンドしたワインは、まろやかでバランスのよさを感じる味わい。2種をブレンドしたワインはフルーティな味わいを楽しめます。おすすめの料理は白身魚を使ったもの。エスニック料理もよく合いますよ。
シャトー・モン・ペラの赤ワインは、渋味と苦味をしっかり感じたい方におすすめ。白ワインは、さわやかな果実味を楽しみたい方におすすめです。
ブレンドワインのため、ブドウの出来によりヴィンテージのブレンド比率は異なります。どのような味わいかをチェックしたいなら、その年の割合をみてみましょう。赤・白どちらのワインも若い頃からおいしく味わえますが、5~6年置くと深みが出るため、少し時間を置いて楽しんでみるのもおすすめです。
¥2,068~(税込)/フルボディ
グレートヴィンテージと呼ばれるうちの1本、2016年のワインです。特徴は、甘さ控えめのフルボディで骨格がしっかりしていること。抜栓するとすぐ、ベリー系の香りに包まれます。たっぷりの果実味と強めの渋味、ほどよい酸味のバランスが絶妙です。長い余韻も魅力のひとつ。
¥1,898~(税込)/フルボディ
グレートヴィンテージの、シャトー・モン・ペラ・ルージュ 2018年です。樽由来のロースト香をまとったベリーや花の香り、力強く豊かな果実味、しっかりした渋味が特徴。多くの方がバランスのよさを絶賛しています。肉料理が最高に合いますよ。ちょっとしたプレゼントにもおすすめです。
¥1,898~(税込)/辛口
過去最高、パーカーポイント91点を獲得した2015年のワインです。柑橘類、洋梨、花、ほのかなバターといった複雑な香り、フレッシュでフルーティな味わいが特徴。ほどよいミネラルが、果実味と酸味をバランスよくまとめています。厚みがありながらあと味すっきりです。
¥1,518~(税込)/辛口
テロワールに恵まれた2018年のワインです。イエローゴールドの美しい色と、柑橘類や青リンゴ、花の香りが魅力的。すっきりした酸味とギュッと凝縮した果実味が豊かで、のど越しはなめらかです。白身魚をはじめとした魚介類を使った料理にぜひ合わせてみてください。
歴史あるシャトー・モン・ペラが日本に広まったのは21世紀になってから。ワインマンガで一躍脚光を浴び、おいしいと評判になりました。おいしいだけでなく、高品質でありながらデイリーワインとして楽しめるほどリーズナブル。今や日本でも、気軽に楽しめる人気のワインとなりました。赤・白、それぞれ料理に合わせて楽しんでみてくださいね。
※商品価格は、2021年5月31日時点での情報です。