2021年07月05日

最高峰の品質。シャトー・ラトゥールが進化を止めない理由とは

フランスが誇る5大シャトーのひとつ、シャトー・ラトゥール。常に安定した品質のワインを造ることで有名です。力強く、長期熟成向きのワインは、50年の熟成にも耐えうるといわれるほど。ビオディナミ農法への切り替えをはじめ、先見性や品質へのこだわりが、ラトゥールの特徴です。特別なビンテージ(ブドウの収穫年)もご紹介しますよ!

シャトー・ラトゥールとは

ボルドー地方メドック地区のポイヤック村に位置し、世界中の愛好家を魅了するシャトー・ラトゥール。メドックの格付け第1級に輝く5大シャトーのなかで、もっとも力強く男性的であり、長期熟成型のワインを造ることで知られます。

なにより、ビンテージに左右されず、常に安定した品質のワインを造り出すことでは、傑出した存在。恵まれたテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境要因)に加え、徹底した品質主義と最新技術を取り入れる革新性によるものです。

世界トップクラスのワインゆえ、価格は高額。10~15万円前後の価格帯が中心ですが、ビンテージによっては30万前後のものもあります。

ラトゥールの意味

ラトゥール(La Tour)は、フランス語で「塔」の意味。シャトー・ラトゥールのシンボルでもある塔は、14世紀に要塞として築かれたもので、ボトルのラベルにも描かれています。当時の塔は現存しておらず、現在シャトー内にあるのは17世紀に建てられたもの。昔も今も、塔はラトゥールの象徴なのです。

シャトー・ラトゥールの歴史

14世紀にはブドウ栽培が始まり、シャトー・ラトゥールの名声が広まったのは18世紀初頭のこと。名門シャトーを有する、二コラ・アレクサンドル・ド・セギュール侯爵がオーナーとなってからです。

輸出市場においてラトゥールの評判が広まり、18世紀後半には、のちに第3代アメリカ大統領となる政治家、トーマス・ジェファーソンが絶賛。当時、一般的なボルドーワインに比べ、なんと20倍もの値が付けられたそうです。

その後、所有者は変遷するも、ラトゥールの名声は高まっていきます。1855年のメドックの格付けにおいて、第1級に選出されたのは、まさに最高峰の証!

地形に恵まれたシャトー・ラトゥールの畑

メドック地区にあるポイヤック村は、ワインの銘醸地。シャトー・ラトゥールはその南端に位置しています。ジロンド川沿いにブドウ畑を所有し、なかでも傾斜地にある「ランクロ」と呼ばれる区画は、ラトゥールの最優良畑。メドックでも最高のテロワールと評されます。

表土は水はけのよい砂利質土壌で、下層は泥灰岩の粘土質の地層。ジロンド川からの温暖な空気が良質なブドウを育て、畑の過剰な温度変化を防ぎ、霜によるブドウの被害を最小限にとどめてくれる効果もあります。ラトゥールのブドウ栽培において、川は重要な役割を担っているのです。

ブドウ品種

カベルネ・ソーヴィニヨン種が全体の約8割を占めています。ほかに、メルロ種、カベルネ・フラン種、プティ・ヴェルド種を栽培。シャトー・ラトゥールのワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン種を主体に、複数のブドウ品種をブレンドして造られます。ブレンド比率はビンテージによって違うんですよ。

ブドウの木を1本単位で管理

ラトゥールの広大なブドウ畑では、区画ごとではなく、なんとブドウの木を1本単位で管理しているというから驚きです。並大抵の努力ではできないことですよね。また、若樹を育てるために、植え替えも実施。進化し続けるための努力はいとわないのです。

ブドウ栽培のこだわり

将来を見据え、持続可能なブドウ造りを実践。すべての畑で、化学肥料、化学除草剤、防虫剤は使わないビオロジック農法(英語読みはオーガニック)に切り替え、2018年に有機認証を取得。最高峰の品質を維持しつつ、フル・オーガニック化することはたやすいことではありません。

また、最優良畑であるランクロにいたっては、より厳格な基準のビオディナミ農法(英語読みはバイオダイナミックス)を取り入れ、既にビオディナミ認証を取得しています。

ビオディナミ農法とは、ビオロジック農法をベースとした有機農法。オーストリアの人智学者、ルドルフ・シュタイナーが提唱した理論に基づき、土壌や植物、生物はもちろん、天体の動きも反映した独特な栽培方法です。

時間をかけて、土やブドウに力を蓄えさせることで、病気に負けない免疫力が出現。ラトゥールは土地を守り、ブドウを鍛え、自然と共存したワイン造りを率先しておこなっているのです。

シャトー・ラトゥールの醸造へのこだわり

「不作知らず」といわれるシャトー・ラトゥール。ブドウの作柄がさほどよくない年でも、醸造力で品質をキープできるからともいわれます。慣例にしばられることなく、常に最高のワインを追求。それがラトゥール流です。

伝統製法と最新技術の融合

収穫したブドウの選果をおこなうのは、熟練の職人。ブドウには圧力をかけず、自然の重みによって果汁を絞り出し、繊細なブドウの風味を最大限に活かしています。

また、最新の醸造設備を備え、ほかのシャトーに先駆け、ステンレスタンクによる発酵を採用。畑の区画に合わせ、さまざまなサイズや形状のタンクを特注し、コンピューターによる温度管理を徹底しています。

プリムールからの撤退

新樽での熟成期間は、約18カ月。シャトー・ラトゥールは、樽で熟成中のワインを先行販売するボルドー独自のシステム 「プリムール」から、2011年のビンテージを最後に撤退しました。なぜなら、シャトーで完璧な状態に熟成させてから販売するのがベストであるとの考えからです。

シャトー・ラトゥールが生み出す「極上の味わい」

シャトー・ラトゥールのワインは晩熟で長命。20年以上じっくり寝かせることで、ラトゥールらしい極上の味わいが開花します。時間の経過とともに、タンニンの角が取れて丸くなり、香りはより繊細で複雑に。凝縮した果実味に力強く豊かなコクが加わり、まさに円熟した味わいになります。

プリムールからの撤退により、2012年のビンテージ以降のワインは、シャトーが飲み頃と判断したときに世に出てくる予定。首を長くして、楽しみに待ちたいですね。

シャトー・ラトゥールのビンテージワイン5選

シャトーの顔であるファーストワイン「シャトー・ラトゥール」から、特に評価の高いビンテージをご紹介します。同じビンテージでも、ラベルに傷があったり、展示品だったりすると、ちょっとお安く手に入りますよ。

1. シャトー・ラトゥール2009

赤ワイン「シャトー・ラトゥール2009」のボトル
¥178,000(税込)~/赤/フランス

2009年は、ブドウの出来に恵まれた偉大なビンテージ。辛口のワイン評論家として知られるロバート・パーカー氏が100点満点を付けたほか、世界のワイン誌もこぞって高得点を付けています。熟成が進むにつれ、この先さらに格別な味わいへと変貌していきそうです。

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2. シャトー・ラトゥール2005

赤ワイン「シャトー・ラトゥール2005」のボトル
¥138,800(税込)~/赤/フランス

2005年は、ラトゥールの主要ブドウ品種、カベルネ・ソーヴィニヨンにとって、最良の出来となったビンテージ。ラトゥールの醸造責任者も、太鼓判を押す出来栄えなんですよ。予想される飲み頃は、2022年以降。おうちのワインセラーで保管し、じっくり熟成させるのもおすすめです。

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3. シャトー・ラトゥール2003

赤ワイン「シャトー・ラトゥール2003」のボトル
¥148,000(税込)~/赤/フランス

2003年のシャトー・ラトゥールは、夢のような出来栄えと評されるビンテージ。ロバート・パーカー氏は100点満点を付け、ワイン評論家のニール・ケベック氏は「死ぬ前に飲むべき1001ワイン」に、このビンテージをあげています。飲み頃の時期に入っていますが、今後の熟成もまだまだ楽しみなワインです。

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4. シャトー・ラトゥール2002

赤ワイン「シャトー・ラトゥール2002」のボトル
¥79,800(税込)~/赤/フランス

2002年はラトゥールらしいビンテージといわれ、気品のある力強さが顕著です。夏頃までは天候に恵まれませんでしたが、収穫前には、ブドウの成熟にとって最適な気候に好転。熟成のポテンシャルが高い1級品として、評論家やワイン誌もこぞって高評価を付けています。

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5. シャトー・ラトゥール1996

赤ワイン「シャトー・ラトゥール1996」のボトル
¥129,800(税込)~/赤/フランス

1996年の夏は暑く、それ以降は昼夜で寒暖の差が激しい乾燥した天候が続きました。そのため、健全で完熟度の高いブドウが育った素晴らしいビンテージに。ワイン専門家からも、軒並み高評価を獲得しています。濃厚で力強く、ラトゥールらしい重厚な仕上がり。飲み頃を迎えていますが、この先の熟成へも期待が高まります。

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シャトー・ラトゥールと相性のよい料理

シャトー・ラトゥールのようなどっしりとしたフルボディの赤ワインは、肉料理との相性が抜群。なかでも、牛肉のステーキやラム肉のグリル、ローストビーフ、ビーフシチューといった、旨味の濃い肉料理と合わせると、最高のマリアージュを楽しめます。

ボルドー名物、ボルドレーズソースをかけた牛肉のステーキは特におすすめ。ボルドレーズソースとは、赤ワイン、骨髄、エシャロットなどで作るソースで、濃厚な味わいが特徴です。

シャトー・ラトゥールのセカンド・サードワインもおすすめ

シャトー・ラトゥールには、セカンドワインとサードワインもあります。ファーストワインとは異なる区画のブドウを使いますが、ラトゥールらしさは十分感じられるはず。

レ・フォール・ド・ラトゥール(セカンド・ワイン)

ハイレベルなクオリティーを誇る「レ・フォール・ド・ラトゥール」は、もはやセカンドワインの域を超えています。ファーストワイン用の「ランクロ」周辺の区画で栽培された、樹齢40年を超えるブドウを主として使用。新樽率は50%です。

香りは複雑で上品。豊かな果実味ときめ細やかなタンニン、長い余韻を楽しめます。「もうひとつのラトゥール」とも呼ばれ、品質はメドックの格付け第2級に匹敵するとの評判も。価格帯は3~5万円前後です。

ポイヤック・ド・ラトゥール(サード・ワイン)

村の名を冠した「ポイヤック・ド・ラトゥール」は、樹齢の若いブドウを中心に使用。サードワインとはいえ、力強い骨格や高貴な味わいはシャトー・ラトゥールならではです。

生産量はファーストワインの10分の1程度といわれ、入手が困難。価格帯は1万5千円前後が目安です。

シャトー・ラトゥールを堪能する

常に未来を見据え、進化を止めないシャトー・ラトゥール。幸運にも、シャトー・ラトゥールを飲む機会に恵まれたなら、まずワインの色を見て、香りをかぎ、口に含み、ゆっくりのどに流し込み、鼻に抜ける香りと余韻をじっくりと堪能したいものですね。セカンドワインやサードワインも、機会があればぜひ味わってみてください♪

※商品価格は、2021年6月26日時点での情報です。

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