
2022年10月01日
秋になるとボジョレー・ヌーヴォーを思い浮かべるワインラヴァーも多いですよね。また、どんな料理を合わせようか悩む方もおられるはず。せっかくなら、相性がよくて気軽に作れる料理を知りたいですよね。この記事では、ボジョレー・ヌーヴォーに合うさまざまな料理を、ソムリエが詳しくご紹介していきます。
iStock.com/Natalia
Van Doninck
ボジョレー・ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方ボジョレー地区で造られる新酒。ガメイというブドウ品種を使用し、赤ワインとロゼワインが生産されていますよ。解禁日は、全世界で11月の第3木曜日と法律で決められています。ワインの一大イベントといえるこの日には、どんな料理を準備するのがよいのでしょうか。
ボジョレー・ヌーヴォーは赤ワインですが、ステーキのようなしっかりしたお肉料理というよりは、あっさりした鶏肉料理や煮込み料理、そのほかには、野菜やきのこなどをメインにした料理によく合います。また、ジューシーでフレッシュな果実味が強いワインなので、甘味のある食事とも合わせやすいですよ。
クリームチーズとナッツを混ぜ合わせたディップ。チリソースと醤油が入ることで甘味とコクがアクセントになり、よりいっそう旨味が増します。ボジョレー・ヌーヴォーの爽やかな酸味と、クリームチーズの酸味、ナッツの香ばしさがよく合いますよ。バゲットに付けて食べてくださいね。
エリンギ・しめじ・えのきをたっぷり使ったにんにく風味の料理です。それぞれのきのこの食感が、口いっぱいに楽しめますよ。ピリッと感じる唐辛子がいいアクセントになって、ワインを引き締めてくれます。ボジョレー・ヌーヴォーに合わせるために、少しバルサミコ酢をふりかけるのもおすすめです。
マッシュルームのフライに合わせるのは、アボカドのタルタルソース。マッシュルームフライのサクッとした食感と、アボカドの濃厚なソースでワインも進みます。ロゼのボジョレー・ヌーヴォーの方が合わせやすいかもしれませんね。
レシピではホワイトマッシュルームを使用していますが、ボジョレー・ヌーヴォーに合わせるならブラウンマッシュルームのほうが相性がいいですよ。
ホタテ・きのこ・ブロッコリーを、にんにくとオリーブオイルでアヒージョ風の味付けに。ホタテの甘味と旬のきのこが、ワインの渋味をまろやかにしてくれます。合わせるボジョレー・ヌーヴォーは、ロゼの方がおすすめですよ。
えのきとベーコンを使用したガレット風の料理。カリッとした食感がたまりません。ベーコンとチーズのコクと旨味が、ボジョレー・ヌーヴォーのフルーティーさをぐっと引き出してくれます。
トッピングにネギではなく、薄くスライスしたコンテチーズ(フランス産のハードタイプのチーズ)をかけてもおいしいですよ。
オーブンで作る、チキンの香草パン粉焼き。ハーブの香りがするサクッとした衣と、ボジョレー・ヌーヴォーの果実味がよく合いますよ。料理自体の味わいは強くないので、ボジョレー・ヌーヴォーの味わいをしっかり楽しみたい方にぴったりです。油で揚げないので、カロリーもカットできておすすめですよ。
鶏肉や玉ねぎ、しめじなどをトマト缶で煮込むだけの簡単レシピです。トマトの酸味と、ボジョレー・ヌーヴォーの果実味からも感じられる酸味が絶妙にマッチ。にんにくで炒めた鶏肉がワインのスパイスになり、さらにおいしく飲めますよ。
ロールキャベツもトマトソースで。キャベツの甘味とトマトの爽やかな酸味が、ジューシーなお肉とよく合います。ボジョレー・ヌーヴォーは、高級なものではなく比較的安い価格帯のものの方が、ベリー系のニュアンスが強いので料理に合わせやすいですよ。
秋の味覚であるさんまをボジョレー・ヌーヴォーと合わせてみましょう。具材の旨味が詰まった、スープまでおいしいレシピです。
赤ワインとさんまを合わせると、生臭くなるかなと思われがち。しかし、アサリの旨味・トマトの酸味・にんにくの風味がさんまの生臭さを和らげるため、ボジョレー・ヌーヴォーともおいしくマリアージュできます。特に血合いの部分と赤ワインのタンニンがベストマッチですよ。
さば缶で作るトマト煮込み。15分でできる気軽さもうれしい簡単レシピです。さばのコクと旨味がトマトソースに溶け込み、ボジョレー・ヌーヴォーのフレッシュでフルーティーな味わいとよく合います。ワインは少し強めに冷やした方が、おいしく飲めますよ。
ワインに合う料理は、洋風だけではありません。ワインと和食を合わせたい場合は、食材の旨みや甘味を楽しめる料理がおすすめです。やさしい味付けのものは、ボジョレー・ヌーヴォーにもよく合いますよ。
れんこんの穴に明太子を塗り、チーズと一緒に焼いたアイデアおつまみ。ボジョレー・ヌーヴォーの果実味と、チーズの香ばしさ、明太子の塩気と甘味がよく合います。少し醤油をたらして食べると、さらにマリアージュ度がアップしますよ。
シンプルなかぼちゃのそぼろ煮。ほっこりとしたやさしい甘味と出汁の風味、そして鶏そぼろのコクが、ボジョレー・ヌーヴォーの果実味によく合います。
温かいままでもワインと合いますが、少し冷した方がかぼちゃの甘味が引き立ち、ボジョレー・ヌーヴォーの甘味に寄り添ってくれますよ。
ボジョレー・ヌーヴォーには、醤油ベースの味わいもよく合います。こちらは玉ねぎをシンプルな照り焼きにした料理。玉ねぎの甘味と甘辛いタレが食欲をそそりますよ。バターが加わっていることでコクもプラスされ、ワインにも深みが増します。
レシピでは新玉ねぎを使っていますが、普通の玉ねぎでもおいしく作れますよ。
ごぼうを甘辛く炒めた、常備菜にもおすすめの料理です。ごぼうの独特な風味とごまの香ばしさに、ボジョレー・ヌーヴォーのやわらかいタンニンが溶け合い絶品です。また、醤油ベースの甘辛いタレがワインの果実味をさらに引き出しますよ。
さつまいもをシンプルに炊き上げたひと品。さつまいものやさしい甘味と、ボジョレー・ヌーヴォーの果実味、スッキリした酸味がよく合います。さつまいもの皮にも含まれる渋味が、ワインとのマリアージュ度を上げますよ。ぜひ、皮ごと食べてくださいね。
旨味たっぷりな牛肉とごぼうのしぐれ煮。作り置きしておけば、おつまみにもお弁当にも使えます。ごぼう独特の風味と牛肉の旨味が、フレッシュな味わいのボジョレー・ヌーヴォーにコクをプラスしてくれますよ。ごぼうや糸こんにゃくの食感も楽しいワインのおつまみです。
締めにもおすすめなのはいなり寿司。ボジョレー・ヌーヴォーのフレッシュな甘味と、出汁やお砂糖などの旨味が絶妙なハーモニーを奏でます。ボジョレー・ヌーヴォーだけでなく、タンニンの強くないやさしい味わいの赤ワインもいなり寿司と合う場合が多いです。ワインは、やや冷やしめの方がおいしく合わせられますよ。
シンプルな豚の角煮。豚肉のとろっとした脂と、ボジョレー・ヌーヴォーの果実味がよく溶け合います。角煮の甘味と旨味が、ボジョレー・ヌーヴォーにわずかにあるタンニンをやわらかくしてくれますよ。赤ワイン初心者の方へおすすめなマリアージュです。
まぐろの漬けを、贅沢にもフライにした料理。天かすを衣にすることで、サクッとした食感も楽しめますよ。ボジョレー・ヌーヴォーの渋味や複雑な風味に、醤油ベースのまぐろがよく合います。最後にレモンを絞って爽やかさをプラスさせると、さらにマリアージュ度がアップしますよ。
たらの身を、梅とお酒でひと晩漬けて焼き上げるみりん焼き。梅の爽やかさと、ボジョレー・ヌーヴォーのベリー系の果実味・酸味が相性抜群です。たらはクセのないお魚なので、ボジョレー・ヌーヴォー以外の赤ワインにも合わせやすいレシピが多いですよ。
和食の定番メニュー、いわしの煮付け。醤油とみりん、砂糖で味付けした甘辛いタレが、ボジョレー・ヌーヴォーの果実味とよく合います。いわしの鉄分とワインのタンニンがベストマッチ。魚でも赤ワインをおいしく飲めるんだ!と実感できるはずです。
ボジョレー・ヌーヴォーを飲むときは、洋食を準備しなきゃと思いがち。しかし、ボジョレー・ヌーヴォーの味わいの特徴を考えると、洋食以外も相性がいい場合があります。とくに、醤油やお砂糖などをよく使う和食は、意外なマリアージュを繰り広げることも多いです。ボジョレー・ヌーヴォーを飲むときに、冷蔵庫に残っている常備菜やおつまみなども気軽に合わせてみてください。おもしろい発見があるかもしれませんよ。
レシピ・画像提供/macaroni
ソムリエ・チーズプロフェッショナル /
YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese