2021年10月27日

ハッピーハロウィン! ワインとカボチャのマリアージュ

もうすぐハロウィンですね! ハロウィンといえば、やっぱりカボチャ。ワイン好きとしては、ワインのお供にカボチャを食すのが楽しいイベントでもあります。毎年この時期、巷ではカボチャを使ったレシピが話題になるので、今年はどう料理してくれようか、ウキウキしながら検索してしまいます。

あれ、でもちょっと待って。ハロウィンのカボチャってオレンジ色のイメージが強いけれど、うちの冷蔵庫に入っているカボチャは深緑色なのはなぜ? そもそもカボチャって夏野菜だから、この時期って旬をすぎているのでは? そんな疑問が頭に浮かびませんか?

ということで今回は、ハロウィンとカボチャの関係について解説しつつ、ワインとカボチャのおすすめマリアージュをご紹介します。

そもそもハロウィンとは?

最近のハロウィンといえば「仮装して繁華街に繰り出すイベント」というイメージが強いですが、もともとは日本のお盆のようなイベントです。歴史は古く、はじまりは古代ケルト民族の宗教行事だと言われています。彼らの社会では新年は11月1日にスタートするとされ、大晦日にあたる10月31日には先祖の霊とともに悪霊が地上にあらわれると言われていました。人々は悪霊を欺いたり怖がらせて追い払ったりするために仮装し、火を炊いて死者の魂をなぐさめていたのだそうです。

そこに古代ローマの文化やキリスト教の風習が合流し、ハロウィンとして現代まで続くイベントへと変化していきました。キリスト教の世界では、ハロウィンは10月31日〜11月2日までの期間です。その後に続く「万聖節」(聖職者をたたえるお祭り)の前夜祭的ポジションなのだとか。英語の「Halloween」の「Hallo」は「聖人」という意味で、ハロウィンの名前の由来です。古代ケルト民族の行事の名残として、仮装(悪霊を怖がらせたり、悪霊からの隠れ蓑になる役割)や「Trick or treat」の掛け声でおなじみのお菓子配り(悪霊を懐柔して帰ってもらう役割)などが残っているそうです。 

ハロウィンにカボチャを飾る理由

「ジャック・オー・ランタン」(ジャックの提灯)と呼ばれるハロウィンのカボチャ。これにも悪霊払いの意味があります。ハロウィンのカボチャが不気味に笑っているのは、悪霊を怖がらせるためなのだそう。悪霊って意外と怖がりなんですね。

もともとはアイルランドの言い伝えです。悪事ばかりはたらいていたジャックという名前の男性が呪いにかけられ、天国にも地獄にも行けずカブのランタンに火を灯して永遠に地上を彷徨うことになってしまった……そんなお話です。この伝説が時と共にハロウィンと結びつき、さらにアメリカに伝承された際にカブがカボチャに置き換わったのだそうです。当時のアメリカではカブよりもカボチャの方が入手しやすく、カボチャの方が加工しやすかったので、ハロウィンの悪霊ばらいの飾りとしてうってつけだったのですね。

実はいろいろあるカボチャの種類

「ジャック・オー・ランタン」といえばオレンジ色ですが、私たちがスーパーで目にするカボチャは深緑色です。理由は単純で、ずばり種類が違います。カボチャはざっくり、次の三種類に分けられます。ハロウィンの時期に出回るレシピでは、たいてい西洋カボチャが使われます。

ペポカボチャ

ハロウィンに使われるオレンジ色のカボチャ。メキシコ原産で、多くが観賞用として出荷されています。種に栄養があり、アメリカでは種を加工して食べられています。ちなみにズッキーニもペポカボチャの仲間なのだそうです。

西洋カボチャ

日本の八百屋さんやスーパーで見かけるカボチャの90%以上が西洋カボチャだといわれています。私たちに最も馴染みのある、深緑色で丸みのあるあのカボチャです。ほくほくとした食感で甘味が強いのが特徴的。

東洋カボチャ

皮は黒っぽい緑色で表面がでこぼこしている無骨な印象のカボチャ。ねっとりとした食感で、甘さ控えめな味わいです。和食に適していると言われます。

西洋カボチャの旬はいつ?

夏野菜のイメージが強いカボチャですが、種類によって “食べごろ” が変わります。日本人に最も身近な西洋カボチャは、収穫後すぐに食べるよりも2〜3ヶ月ほど熟成させてから食べた方が美味しく、栄養価も高まるのだそうです。夏野菜と言われるだけあって収穫時期は夏(7月〜9月)ですが、 “食べごろ” は秋から冬にかけて(10月〜12月)……まさに、ハロウィンの時期がベストタイミングというわけです。

ハロウィンが近づく頃にカボチャを食べ始め、美味しさの旬の締めくくりとして冬至(今年は12月22日)を迎える。そんな楽しみ方が乙ですね。

嬉しさいっぱいなカボチャの効能

カボチャは緑黄色野菜。体に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。免疫力向上が期待できるβ-カロテン、抗酸化作用があるといわれるビタミンC、腸内環境維持に効果的な食物繊維。そしてなによりワイン好きに嬉しい栄養素としてカリウムも豊富に含まれています。カリウムは体内の塩分を排出する効果がありますが、その利尿作用によってアセトアルデヒド(アルコール摂取によって生成される毒素)も体の外にでていきます。アセトアルデヒドは二日酔いの原因物質といわれており、ワインにカボチャを合わせることで二日酔いのリスクを減らす効果が期待できるのです。

一方、炭水化物が多めなのでカロリーが気になるところ。カボチャ100gあたり約91kcal(実際には調理するので食べる際にはもう少し加算されます)。他の野菜に比べると高めですが、あの甘さやほくほく芳しい香りを考えると、むしろ低いとも思えます。カロリーが気になる人は、ご飯をカボチャに置き換えるなど工夫するのがよさそうです(白米1杯100gあたり168kcalほど)。

カボチャに合わせるおすすめワイン

あまりイメージがないかもしれませんが、実はカボチャとワインはとってもよくあいます。どんなワインでもOKというわけではなく、おすすめは断然白ワインです。

甘味や栗のような香ばしい香りが特徴的な野菜なので、特に濃厚でコクのある白ワインがおすすめ。樽を使って熟成させ白ワインや、暖かい地域のフルーティな白ワインなど……味と香りがしっかりしているタイプが合わせやすいでしょう。

それを念頭にワインを二種類ピックアップして、それぞれマリアージュを意識しながらカボチャを合わせてみました。どちらもプチプラで手に取りやすいワインと、とっても簡単に調理できるカボチャ料理の組み合わせです。今年のハロウィンにあわせて、ぜひお試しください。

マリアージュ(1):カリフォルニアの樽熟シャルドネ & カボチャのバター煮

ワイン:サイクルズ・グラディエーター シャルドネ

スーパーや街の酒屋さんでもよく見かけるカリフォルニアのワイナリー「Cycles Gladiator」のシャルドネ。ラベルには女性が自転車に乗って飛んでいる斬新なデザインがあしらわれています。果実味が豊富な典型的なカリフォルニアン・スタイルの1本です。お値段は1,500円ほどとプチプラ。

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料理:カボチャのバター煮

カボチャにバター10gと塩適量(甘めがお好みなら砂糖を小さじ1/4)をかけて600Wの電子レンジで3〜5分ほど加熱しただけの簡単カボチャ料理。別で溶かしバターを作り、食べながらお好みで “追いバター” するのがポイントです。

【マリアージュのポイント】
カボチャ甘味とバターのクリーミーな風味が口の中で合わさって、シンプルながらとても美味しいレシピです。私は「食べるカボチャポタージュ」と呼んでいます。カボチャを一口食べてからワインを含むと、シャルドネのクリーミーな風味が引き立ってとても美味! ブラックペッパーと粉チーズをかけると、ワインの樽香との相性が高まってよりマリアージュを感じられます。

マリアージュ(2):甲州のオレンジワイン & カボチャの和風煮

ワイン:甲州オランジュ・グリ

山梨県のマルス山梨ワイナリーさんの甲州で造った綺麗な琥珀色のオレンジワイン。白ブドウである甲州を赤ワインと同じ製法で醸造し、白ブドウならではのキレの良さと赤ワインにも負けない骨格を兼ね備えています。甲州に特有な酵母由来の “旨味” も存分に感じられ、秋の味覚に合わせやすい1本です。こちらもお値段1,500円ほどのプチプラワインです。

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料理:カボチャの和風煮

日本ワインに合わせるなら、やっぱり王道なカボチャの煮物! こちらも電子レンジで簡単に調理できるので、ささっと用意したいワインのおつまみにピッタリです。わが家ではカボチャ400g、水150ml、酒と醤油を大さじ2杯ずつ、みりん大さじ1杯、砂糖大さじ1杯、出汁パックを耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで7分〜10分ほど加熱しています。

【マリアージュのポイント】
カボチャに染み込んだ出汁の香りとワインの香ばしい香りに共通点があり、とてもよく合います。一般的な甲州の白ワインにい比べオレンジワインはより味わいが強いので、濃いめの味付けの煮物に合わせやすいです。一晩だし汁に漬け込んで味を染み込ませるとより美味! カリウムの効果で塩分も気になりません(笑)。

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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