
2022年10月01日
「赤ワインは、冷やさないで常温で飲む」とよく聞きますよね。しかし実際冷やすとどのような味わいになるのでしょうか。よりおいしくなったら、うれしいですよね。この記事では、赤ワインを冷やすことでおいしく飲めるコツや、冷やしておいしいワインなどをソムリエがご紹介します。赤ワインは、温度変化でおいしくもまずくもなるので、記事を参考にチャレンジしてみてくださいね。
赤ワインは、少しだけ冷やしたほうがおいしく飲めますよ。赤ワインを飲む適温は、ブドウ品種や醸造過程の違いなどで変わりますが、約10〜20℃とされています。赤ワインの味わいは、渋味(タンニン)が特徴のひとつ。渋味やどっしりとしたタイプは冷やしすぎると苦味を強く感じてしまい、おいしく飲めまない場合があります。また温度を低くすることで、香りや風味が閉じてしまうこともあるんです。しかしあっさりとした果実の酸味を楽しめるタイプは、キュッと冷やすとおいしくなります。
このように赤ワインと大きくまとめるのではなく、タイプによってしっかり冷やしたり、少しだけ冷やしたりと温度の変化をつけてみるのがおすすめです。最初からキンキンに冷やすのではなく、ちょっと雑味があるなと感じたら冷やしたり、香りや風味が感じにくい場合は少し温度を上げたりと、いろいろ温度を調節をしてみましょう。
「赤ワインは常温で」といわれるようになったのはなぜでしょう?これが広まった理由は、フランスでの保存方法が関係しています。フランスでは地下室を持っている家が多いため、そこにワインを熟成させていることが多いです。地下室の温度は、一般的に約12〜15℃程度といわれ、これはワインセラーの適温となります。このようにフランスでは、地下室に常温で保管することが当たり前なので「赤ワインは常温で飲む」ということが広まったと考えられています。
しかし日本で「常温で赤ワインを飲む」をおこなうと、湿度も温度も違うので、おいしく飲むことがむずかしくなります。常温で保管する場合は、飲む約一時間半くらい前に冷蔵庫へ入れ軽く冷やすのがおすすめですよ。
ワインを冷やす場合は、冷やしておいしいワインを見つけるのがポイントです。例えば、フレッシュな果実味を楽しめるタイプ、さっぱりとしたサラリとした口当たりを味わえるタイプなど。チリでコノスルが手がける「ピノ・ノワール クール・レッド」や、イタリアでトレマレスカが手がける「フィキモリ」などがおすすめですよ。「ピノ・ノワール クール・レッド」は、飲み方として冷蔵庫で2時間、冷凍庫で15分、氷水で5分がおいしい飲み方だと紹介されています。「フィキモリ」は氷を入れたり、カクテルにして飲んでもおいしい飲めます。
上記で紹介したどちらのワインも、しっかり冷やしても渋味や苦味が出ず、フレッシュな果実味をすっきり楽しめます。冷やしておいしい赤ワインは渋味がおだやかで濃厚すぎず、さわやかな風味を味わえるものを選んでみましょう。
赤ワインを冷やす場合は、カクテルにするのもおすすめです。有名なのは、くだものやハーブなどが入った「サングリア」やジンジャーエールで割った「キティ」、炭酸やレモンで割った「スプリッツァー・ルージュ」など。赤ワインのカクテルは赤ワインが苦手な方にも飲みやすく、アルコール度数も少し下がります。好みの赤ワインで自分流にアレンジをしたカクテルを作ってみるの楽しいですね。
赤ワインは、どんなタイプのものでも冷やすとおいしくなるというわけではありません。どっしり系で渋味のある赤ワインは、冷やすと苦味が増してしまい、本来のおいしさを楽しめなくなる場合があります。フレッシュな果実味が多いタイプや、さわやかなすっきりした口当たりのタイプの赤ワインを冷やして飲んでみましょう。どの赤ワインも、基本的には常温ではなくほんのり冷えているくらいがおいしく味わえます。白ワインだけでなく、赤ワインも飲む前に少し冷蔵庫で冷やして飲んでみてくださいね。
ソムリエ・チーズプロフェッショナル /
YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
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