
2021年02月23日
皆様、こんにちは。インポーター365wineの大野みさきです。先週、有楽町で開催された【サントリー日本ワインポップアップストア】で、登美の丘ワイナリーを体感してきました。ポップアップストアの魅力も踏まえて、今日はサントリーのワイン造りを皆様とシェアしたいと思います。
ポップアップストアの会場では、登美の丘や塩尻ワインなどの有名銘柄や、ワイナリー限定のレアワインも合わせ、
12種類が堪能できました。また、時間帯によっては、栽培家、醸造家さんが店頭に立ち、ワイン造りへのこだわりや、おすすめの楽しみ方を聞くことが可能でした。造り手と交流できる、これぞポップアップストアの醍醐味です。早速、ワイングラスを片手に、サントリー登美の丘の醸造技師長である宮井孝之さんにお話を伺いました。
甲州の魅力とそこにかける情熱。ワイン造りへの想いなどなど…ワインを頂きながら造り手のお話が伺えるとは格別です。
「今年、サントリーが登美の丘・塩尻ワイナリーに、
10億円の設備投資をしたと聞きましたが・・・・ 」と、気になっていたことを尋ねました。宮井さん曰く、新しい技術うんぬんの話ではなく、昔ながらの製法(=原点回帰)を最新の技術を用いて実現する試みだそうです。例えば、ぶどうを潰れない状態でタンクに入れる、タンク内も均一に発酵を進めるなどです。そしてそれらは、“ワインの品質向上”のためなのだとか。なるほどー、勉強になります。同社は9月にFROM
FARMというブランドを立ち上げ、その中の「ワインのみらい」シリーズを通じて、造り手の日々の取り組みなどを消費者の方にお届けするのだとか。サントリーの新しいチャレンジですね。
「栽培者と醸造者が違うことについては・・・・」 栽培から醸造までを一貫して同一者が携わっていない点についても聞いてみました。宮井さんは次のように語ってくれました。
「
サントリーはブティックワイナリーやガレージワイナリーとは異なります。様々なセクションのチームが一丸となって、そこに“目指すもの”があります。方向性が同じで、皆が一緒にそれを目指すと、そこには大きなパワーが生まれます。それこそが “チームワーク”です。チームワークでのワイン造りとは・・・・ぶどうの質がワイン質の7割を占めています。“畑で丁寧 & 確実に造られたぶどう”を私たち醸造が引き継ぎ、“謙虚な姿勢で取り組みます” 醸造担当が畑仕事を手伝い、その逆もあります。栽培者と醸造者がお互いに議論して品質改善をしていきます。最終的には地域に根ざし消費者をも巻き込みます。“みんなでワインを造る” それがサントリーのワイン造りです」めっちゃ良い話じゃないですか!!
造り手さんから直接
“ものがたり”が聞ける機会もそうそうありません。ポップアップストアに足を運んで良かったと思った瞬間でした。ワイナリー訪問はなかなか難しいですが、近所で開催されるポップアップストアを覗いてみるのも面白いかもしれません。特に秋冬はワイナリーもひと段落ついているので、運が良ければ、生産者にお会いできることも。
5,940円
山梨県・登美の丘。サントリーでもオーソドックスな甲州。八朔、橙などの和柑橘のアロマ。香りからも甘酸っぱさとほろ苦さが感じられる。熟したラ・フランス、白桃などの甘やかで上品&繊細な香り。香りに負けないぐらいのしっかりとした味わい。美しい酸、程よいアルコール感に全体が調和をみせる。丁寧な発酵、徹底した温度管理、シュル・リーを施し、醸造では細心の注意を払っているのだとか。「普段の食卓に合うワインです。なかでも和食との相性は抜群です。白身魚のお刺身、天ぷら、焼き魚など、ワインとお食事がお互いを高め合います」と宮井さん。
6,490円
樹齢40~50年の古木のワイン。先ほどの代表的なワインをどのような方向性から、より品質を高められるかのチャレンジ。地中に深く伸びたぶどうの根は、土壌のミネラルを吸収。また若木と違って房の数も限定される。控えめな香り、味わいもおとなしいと思いきや、年齢を重ねているだけある。宮井さんは「人間と同じように奥行きや伸び代があります」と。じっくり腰を据えて頂きたい、安心感や落ち着きのあるワイン。
5,720円
樹齢3~8年の若木のワイン。先ほどとは対照的。小粒&小房、糖度も高く、凝縮した味わいになるクローンを厳選して甲州の畑を作ったとのこと。一般的に収穫ができるのが5年目から。若木のぶどうを用いたので、細やかな柑橘系の香り、フレッシュでより緻密な酸味もある。「まだまだ、これからの畑ですが、若者らしくエネルギッシュさも感じられます。将来が楽しみです」と宮井さん。
6,820円
長野県・塩尻の赤ワイン。サントリーはウイスキー樽を自社で製造。そんなメーカーの強みを活かしたのが和品種(マスカット・ベーリーA)×和樽のコラボ。ベリーAのフルーティーなストロベリー香とミズナラのココナッツや白檀などのオリエンタルな香りがマッチングするよう、樽熟期間や新樽率を研究して仕上がったワイン。キュートさもありながら、しっとりとした落ち着きのあるワイン。スモーキーな余韻でお代わりが促される。豚の旨味&脂身と八角のアクセントがある・・・・「豚の角煮が食べたい!」
今回ご紹介したワインは、日本ワインSUNTORY FROM FARMのワインが全て揃うオンラインストア【ワイン日和】でも販売しています。サントリー最高峰の登美、岩垂原を筆頭に、登美の丘、塩尻シリーズ、テロワールや品種の個性が感じられるシリーズなど。貴腐ワインや11月3日に発売された新酒(マスカット・ベーリーA、甲州)も要チェックです!また、「ワインのみらい」シリーズでは、日本のワインのみらいを見据える造り手の探究心が満載!!産地や樹齢の違いで品種の奥深さを味わえます。果皮を長く醸したワインも近いうちに誕生するのではないか、との噂も耳にしました。オレンジワイン好き、ますます目が離せなくなりました。
土地の個性を最大限に活かした日本の味。さあ、ワインが美味しい季節です。皆様も日本ワインを体感してみてはいかがでしょうか。それでは、ごきげんよう!
※日本ワインSUNTORY FROM FARM【ワイン日和】【https://japan-wine.direct.suntory.co.jp/】
365wine 大野みさき
元ANA国際線CA。7年の在職中にワインに魅せられ、その後は渡仏しワインの勉強をする。2014年に帰国し、翌月にワイン輸入会社365wine株式会社を設立。365日(毎日)ワインを楽しんでもらいたいという想いからの社名。スロヴェニアワイン専門のインポーター。現在はママさんスタッフを含め3名で、買い付けから輸入販売、全国の業務店営業やイベントで、スロヴェニアの魅力を各地に広める活動をする。「貴方と大切な方の毎日を笑顔にします!」をモットーに、一緒に働いてくれる仲間を募集中!
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