2022年11月23日

レバノンワインで世界平和を

皆様、こんにちは。インポーター365wineの大野みさきです。ワインを飲んで“世界平和が実現するかもしれない”そんな夢のような話があるのです。今日はレバノンワインを輸入する、ユナイテッドピープル株式会社の関根健次さんに、「ピースワイン」についてインタビューしました。

関根さんが代表取締役を務める同社は、映画会社でその事業目的が【世界平和】です。人と人を繋ぎ、戦争、紛争、飢餓、貧困、人権、環境問題などの世界の課題を解決し、全ての人が幸せを分かち合える社会の創造を目指しています。小学校のお習字でしか書いた記憶がない「世・界・平・和」。この四文字の後に、スーパーマンやヒーローのやることを、経営理念として掲げられていたので、ちょっと待って下さい!レバノンワインとかこの時点では、もうどうでもよくなりました。私が知りたいのは、ただ、この1点。

経営理念の「世界平和」

「何がきっかけで、平和の実現がミッションになったのですか?」
関根さんはこう答えました。「アメリカの大学で異文化に興味を持ち、卒業旅行はトルコから日本までを陸路で地球半周する計画を立てました。ワインも好きだったのでワイナリー巡りも入れて。そして帰国したら、しばらく勤めた後、ワイン輸入商社を設立し、将来はフランスでワイナリー経営でも出来たらと考えていました。そんな人生を描いていたのですが、卒業旅行の当時は知識などなく、紛争を抱える場所、イスラエルとパレスチナを訪れました。エルサレムで知り合った方の家に招かれた時、その場所がガザ地区でした。紛争地のイメージとは裏腹に、ガザは安全で心優しい人たちが暮らしていました。彼らは生まれながらにして難民で、難民2世や3世です。興味本位でガザの子供たちに将来の夢を聞いてみました。学校の先生や医者など、人の役に立ちたいと答える子が多かったです。その中で、13歳の少年が将来は爆弾を開発したいと言ったのが衝撃的でした。子供が人を殺すものを手掛けるのが夢。そんな社会はあってはならないと思いました。世界を変えたい、平和を実現したい・・・と思ったのはその時からです。呑気にワインをやっている場合じゃない、自分のミッションを強く感じました」
関根さん22歳の時です。NGOに基金を届けることや、映画事業を通して、世の中の現実を知って貰い、映画という感動の提供から、世界の課題を解決しようと働きかけてきました。時は流れ会社設立10周年のパーティでは、【ニュービギニングス】という名の南アフリカワインに出会いました。アパルトヘイト撤廃後に、白人が黒人に畑を分け与え、これからは一緒に生きていこう!と手を取り合って造ったワインです。ワインは平和の実現に使えるかもとヒントを得ます。そうしてこの20年という節目に、とうとう映画会社がスクリーンから飛び出し、ワイン事業に着手しました。20219月には、ユナイテッドピープルワインを設立。かつての夢であったワインが、平和をコンセプトとする世界の “ピースワイン”として幕開けです。

レバノンワイン

中東に位置するレバノンは、人口526万人、岐阜県と同面積の小国です。別名モザイク国家と言われ18の宗派があり、多様な民族が暮らしています。ワイナリーはおおよそ50軒ほど。フランスの統治下であったこともあり、フランス語は基より、栽培や醸造のワイン造りでも、フランスの影響を受けているのだとか。
今回試飲したワインは3本。レバノン沿岸部でワインを手掛ける【メルセルワイン】です。海が近く、山や谷もある起伏に富んだ地形です。標高800mのブシット、1600mのカンヌビーン渓谷、1700mのベッカー高原と、冬は積雪があり、夏は温暖なエリアで有機ぶどうを育てます。早速、試してみましょう。

レブナット・ペットナット・ゴールド2021


¥5,390(税込)

ヴィオニエと樹齢150年以上の土着品種「メルワ」が、5050でブレンド。発泡はおとなしめです。8℃で5日間の発酵前浸漬を施しているので、レモン、梨、パイナップルなどのフルーティーなアロマが表れています。大人の清涼飲料水と言っても良いぐらい、汗をかいた時にゴクゴクいけます。軽くて親しみやすい飲み心地です。

UNITED PEOPLE WINE

レブナット・ペットナット・ピンクロゼ2021


¥5,390(税込)

サンジョヴェーゼとメルワを5050で用いたロゼ泡です。泡は元気が良く(11/7現在)活動的です。青りんご、赤りんご、すもも、上品なさくらんぼの香り。酸はフレッシュで軽快なアルコール感、全体はコンパクトにまとまっています。滓引きをしているので最後まで爽やか、そしてクリアなピンク色が、視覚を楽しませてくれます。

UNITED PEOPLE WINE

ダー・リヒ・ハナン2018


¥6,270(税込)

シリア難民が造った赤ワインです。【ダー・リヒ・ハナン】の、Darは家、Richiは苗字、Hananは名前を意味し、シリアで暮らす家族(奥様:ハナン)を想い、名付けられました。イスラム教徒のアブダラ・リヒは、内戦中のシリアに家族を残し、単身で隣国のレバノンへ。平和な祖国でワイン造りがしたいと夢を抱き、メルセルワインの手ほどきを受けて完成したのがこちら。カベルネ・ソーヴィニョン60%、マルベック29%、サンジョヴェーゼ11%を使った赤ワインです。ブルーベリー、ブラックベリー、スパイス、ヨード、土っぽさや根菜が香り、フレッシュハーブと干し草が見え隠れします。独特な異国情緒が香りからも感じられ、海と白い砂山をイメージしました。味わいは豊かな酸、穏やかなタンニン、優しい果実味が口いっぱいに広がります。酸は強いが全体的に丸い印象です。アフターには果実由来の甘みがやや感じられます。エレガントでもパワフルでもなく、ソフトで優美さに溢れたワイン。鉄分も豊富なので鰹のタタキ(赤身の血合い)などとも相性が良さそうです。

UNITED PEOPLE WINE

どんなシーンで飲んで頂きたいか聞いたところ、「ユナイテッドピープルワインのコンセプトが、「繋がる」や「知り合う」です。なので大切な人と分かち合っても良いですし、イベントなど人が集まる場所でも、誰かと楽しんで頂けたらと思います」と関根さん。ピースワインの売り上げの一部は、パレスチナ子どものキャンペーン(NGO)を通し、レバノンで暮らすパレスチナ難民、シリア難民、そして障がいのある子どもたちなど、レバノン市民への支援となります。ワインを造って、飲んで美味しい・・・・と平和のストーリーが優しさの輪になっています。

ワイン造りプロジェクト

関根さんの人を繋ぎたい想いは、ワインの販売だけに止まりません。例えば紛争を抱える当事者同士であるイスラエル人とパレスチナ人が手を取り合って造るワインを、将来的にはプロデュースしたいとのこと。世界中からボランティアが集まる、平和の礎となるワイナリーです。そんな壮大な夢を抱きつつ、昨年には近場の北海道で、【余市ピースワインプロジェクト】を発足しました。今年の6月にはアフガニスタン難民(イランに亡命中、タリバンが殺害予告を出し、強制送還されそうになったところを救済された家族。殺害の理由がフルート奏者に対してはタリバンが音楽を禁止しているから、柔道者に対しては女性だから)や現地パートナー団体である【余市エコビレッジ】のスタッフやボランティアらと300本の苗木を植えました。ソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、モンドブリエ、プチマンサンなど。多様な人がワイン造りに携わるため、敢えて品種にも多様性を持たせたそう。ワイン造りは100ヶ国以上の、地域の人を巻き込む5ヶ年計画で進めています。国境、宗教、人種を超えて、どんなバックグラウンドでも、たとえ争っている国同士の人でも、平和を願い、そこに集い繋がる。そしてワインがある。超絶に素敵だと思いませんか。

映画事業

また、ユナイテッドピープルは本業が映画です。1118日から全国ロードショーの【戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン】。この映画の配給をしておられるので、公開に先立ち見どころを伺いました。「世界で最も危険なワイン生産地のひとつであるレバノン。1975年から数十年も断続的に戦争をしていました。そんな特殊な環境下でも諦めず、不屈の精神でワインを造り続けた生産者たちのものがたりです。レバノンワインの父と評されるセルジュ・ホシャールは、ワインの技術的なことよりも、ワインがいかに人類に貢献できるのかとか、幸福論、生き方について語っています。そのひとこと、ひとことの表現には重みがあり、含蓄があります。映画をご覧になられている方に、何か心に響く “言葉”があるかもしれません」と。大野もそのメッセージをしかと受け取らせて頂きます!

戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン

最後に

「私は世界を平和にする!」など、大それたことは凡人にはできません。でも、ワインが好きなら、レバノンワインを1本開けることぐらいは容易いことです。映画が好きなら、SDGs映画を1本鑑賞することぐらいはできます。沢山の人が愛で繋がっていれば、戦争など起きる筈がありません。日常生活の延長で、現実社会や人と関りを持ち、知ること、興味を持つことは、全てのアクションのはじまりだと思います。そう考えると、世界を変える、みらいを変えることは、そんなに難しいことではないような気がしてきました。それでは皆様、ごきげんよう!


365wine 大野みさき

ANA国際線CA7年の在職中にワインに魅せられ、その後は渡仏しワインの勉強をする。2014年に帰国し、翌月にワイン輸入会社365wine株式会社を設立。365(毎日)ワインを楽しんでもらいたいという想いからの社名。スロヴェニアワイン専門のインポーター。現在はママさんスタッフを含め3名で、買い付けから輸入販売、全国の業務店営業やイベントで、スロヴェニアの魅力を各地に広める活動をする。「貴方と大切な方の毎日を笑顔にします!」をモットーに、一緒に働いてくれる仲間を募集中!
【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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